藤川昨年も引退申し出、阪神副社長明かす/一問一答

藤川の今季限りでの引退を発表する谷本副社長

阪神は31日、藤川球児投手(40)が今季限りで現役引退を発表した。谷本修球団副社長兼球団本部長(55)がオンライン会見で取材に応じ、経緯を説明した。一問一答は以下の通り。

(冒頭)「藤川球児選手から今シーズン限りでの現役引退の申し出を受けまして、球団としてはそちらを了承いたしましたので、その報告でございます。理由といたしましては、本人から聞いた話ですけども、1年間を通じてコンディションを保つのが年々、難しくなってきておりまして。体が実を言うと悲鳴を上げているんだというのが1つでございます。それからもう1つは、やはりチームに非常に迷惑をかけていると。現状でも非常に迷惑をかけている状態であるし、来季については今季以上に苦しくなると懸念も考えられるという、以上2点でございます。現状の彼の思いをそのまま申し述べさせていただきますと、野球人生について全く悔い、後悔はないということでございましたけれども、今シーズンを諦めたというわけでは全くなくて。9月中を目指して現在、チームの戦力になるよう仕上げていっている状態であるということでございます。球団に対してはドラフト1位で指名してもらい、その後MLB、それから高知球団の経験を経て阪神タイガースに来させてもらって本当に感謝しかないという言葉をもらっております。球団からは逆に名球会入りの条件でありますあと5セーブの達成ということはもちろん、矢野監督を胴上げするための活躍というのをお願いし、本人からも必ず今シーズン戻ってきますのでいうことで約束をしてもらっております。経緯についても少し説明させていただきます。実は昨年の春頃、19年の抹消期間中から、今後の藤川球児選手の選手生活について話し合いの場というのはもっておりました。その時、彼からの申し出としては19年シーズン限りでの現役引退という申し出があったのも事実でございます。ただその時は球団としては態度を保留いたしまして、みなさんご承知の通り、その後の見事な復活劇を見て。オールスターゲームの前ぐらいに逆に今度は球団の方から、強く現役続行を要請いたしております。その時、藤川球児くんからは返事はなかったわけでありますけども、シーズン終了後に改めて話し合いの場をもちまして。彼も相当な覚悟を持った上で2020年シーズンも頑張りますということで承諾をしてもらいました。その後、今季に移るわけなんですけど。8月中旬に本人から再度、今シーズン限りでの引退の申し出を受けました。こちらも非常にショックだったわけですけども、本人は必ず戻ってくると言ってますので。それを待ちたいと思っております。後、彼が直接言ったわけではないですけども、私の方から今、感じるところとしましてはチームの顔として、またチームの浮沈を担う過酷なポジションで孤独な中、孤独とも戦いながら活躍してくれたことに本当に球団としても感謝しかないというところでございます」

(一問一答)

-申し出があった際の本人の様子は

「私自体は電話でしか話をしておりません。努めて明るく言ってきたというのが事実でございます」

-明るい様子で話をしていた

「そうですね。ただ、話を聞くとかなり深刻。体自体は本当に悲鳴を上げていると。お医者さんからも簡単に言うと、もういいんじゃないかと言われるぐらい、結構大変な中でやっているというのが事実でございます」

-深刻な症状

「そうですね。いろんなところがこれまでの戦いの中で疲労の蓄積と言うんですか。いろんなところがしんどくなっているというのが事実のようです」

-矢野監督とも話をしている

「その後、矢野監督にもおそらく電話だと思いますけども話をしていると思います」

-矢野監督も本人の思いを受けて、受けるということか

「そうですね。ただ矢野監督は予祝の中でも日本一のマウンドには藤川球児が立ってということをずっと言ってくれてますので。私も監督とも話をしている中で、そういう話をしてますので。監督からもおそらく、頑張って戻ってこいという話をしてくれたものと思っております」

-具体的な引退の時期について本人と話は

「今シーズン限りというところです。まだまだこれから戦いは続いていきますので、我々は日本シリーズを目指して頑張ってますので。そこまで戦い続けるという意志を示してくれたということです」

-コロナ渦で難しいかもしれないが、引退試合などは

「そこはまだ、正直言って考えに至っておりません」

-引退された後のポストについては

「そちらについてはまだ、考えておりません」

-発表の時期が今日になった理由

「そうですね。私としては藤川くんには分かったということは(8月中旬に)伝えました。ただ、球団も組織ですので了承というのはやはり要る必要がありますし、その時間が必要だったということです。(時期は)お互いに話をしないといけない相手というのは当然いますので、今日に至ったということでございます」

-申し出を昨年は保留、今季は認めたという違いの理由は

「実際のところ、よほどのことだろうというのが理解できたからです」

-よほどのことというのは体の状態

「そうですね。先生にも診ていただいてかなり厳しいことも言われたようですので。その当たりの話を総合すると、今季精いっぱい務めてもらうのが精いっぱいじゃないかなという風に判断したということでございます」

-右腕のコンディション不良が抹消の理由だったが、そこの部分の具体的な具合は

「そこは控えたいと思います。簡単に言うと、藤川くんの言葉で言うと手術が必要なレベルだという風に聞いております」

-引退後について球団はどう考えているか

「もちろんそういう選手であるからこそ、こういった対応をしているわけでして。今後についてはおいおい、話をしていきたいという風に思っております。ただ、藤川くんの本意というのは藤川くんの来年のことを話すのでなくて、やはり今季にかける思いというのをみなさんにお伝えしたいということだろうと思ってますので。今は、そういった話は差し控えたいというのが心情でございます」

-藤川投手の功績を、球団としてはどのように捉えているか

「功績というのはまだこれから積み上げてくれると思ってますので、総括するのはシーズンが終わってからにしたいと思います」