BC4球団が来季から「日本海オセアンリーグ」発足 トライアウト11・3

新リーグの設立会見に参加した左から富山の永森社長、石川の端保社長、お笑いコンビ「マテンロウ」のアントニー、日本海オセアンリーグの黒田CEO(撮影・保坂恭子)

BCリーグに今季まで所属している富山、石川、福井、滋賀の4球団は、来季から新たに「日本海オセアンリーグ」を発足すると発表した。16日、都内で設立記者会見を行った。

今季まで滋賀の球団社長を務めた、日本海オセアンリーグの黒田翔一CEO(36)は「未来の野球人のため、ふるさと野球を復活させたい。地域のファンを増やして球場に人を増やし、NPBから注目されるように、歴史をさらに更新していきたい」と話した。滋賀の球団社長には、田中一輝氏が新たに就任する。

途中で、黒田CEOが「ちょっといいですか?」と笑顔を見せた。会見場の最後列にヤンキースのキャップをかぶり、チェック柄のシャツで座っていたのは、野球好きとして知られるお笑いコンビ「マテンロウ」のアントニー。マイクを手に登壇すると「応援隊長の気持ちで来ました。今後、独立リーグを応援していきます!これから独立リーグが変わっていくんだなと。力強く感じました」と話した。

さらにSNSを活用するアイデアを出し「夢は、独立リーグからメジャーリーガーを生みましょう!このリーグから、メジャーリーガーが生まれます!」と力強く宣言。会場からは拍手が起こった。新リーグのトライアウトについて質問が及ぶと「11月3日です!」と大きな声でアナウンス。各球団の社長が驚く中、日程を先に発表する“サプライズ”で会場の笑いを誘った。

YouTubeで「トクサンTV」を配信する徳田正憲さんも参加。独立リーグのチームを積極的に訪れており「各球団のお話を聞いて、みなさん野球が好きで、野球で人を救って、地域を活性化させたいという思いが伝わってきた。野球ファンとして、ワクワクしています。選手がよりプロ意識を持って、どこまで新リーグを盛り上げられるかがキーかなと思います」と話した。

リーグ戦は、来春の開幕を目指して準備を進めている。運営体制を見直し、公式戦は50試合でシーズンを構築する見込み。週末に1会場で2試合を行うことで、運営の経済的な負担を減らす。富山の永森茂社長は「平日のナイターは、地方では集客しづらい。土日の2連戦とすることで、球場使用料、移動費の削減につながる。ファンに新しい観戦スタイル、楽しみを提供できると思っている。大きな改革のポイントになる」と説明した。

リーグ戦とは別に、年間10試合ほど独立の他リーグやNPBとの交流戦を予定する。将来的な構想について、石川の端保聡社長は「プロアマの垣根を越えるような、サッカーの天皇杯のようなものを目指したい。時間はかかると思うが、小規模のところから積み重ねてやっていく。高校野球の有名校と戦うのはなかなか難しいが、目標を設定して、新たな野球界を目指していきます」と話した。

選手の給与については、下限と上限の設定を廃止。今季との差額についてはリーグ側が金銭面の負担をして、給与を分配するという。

また、NPBと同レベル質の高い動画配信を目指し、専用のアプリを開発するなどサービスの提供も拡充していく方針だ。

参加する4球団のうち、福井が前身となるチームは名称などが未定となっている。

黒田CEOは「令和、コロナの時代には発進力が大事と痛感している。日本海はすしがおいしいし、もっとたくさんの人に来てほしい」と呼びかけた。