SKE都築里佳、学校にも通って…声優の夢へ本気

声優を務めたキャラのボードを手にする都築里佳(撮影・森本隆)

SKE48都築里佳(23)が、スマホRPGゲームアプリ「ファイブキングダム」で声優を務めたキャラクターが8日、実装された。

スマホアプリAiKaBu(アイカブ)内で行われたイベントで1位を獲得し、得たキャラクターで、魔法を得意とするちょっとドジな少女ココに声を吹き込んだ。声優学校に通って技術を学ぶなど、夢の声優へ大きな1歩を踏み出した都築に、収録の模様や声優への思いを語ってもらった。

8日に23歳の誕生日を迎えた都築にとって、最高の誕生日プレゼントになった。

「誕生月なので、すてきな誕生日プレゼントをいただきました。こんなプレゼント、普通はいただけないですからね。うれしい…。このキャラの衣装でコスプレをしたいですね(笑い)」

アイカブのゲーム内イベントで1位になったことで、声優のチャンスをつかんだ。

「声優ができるのが、上位3位までだったんですけど、以前に別のアプリの声優イベントの時にも『1位を取るつもりじゃないと、絶対入れない』って思ったんです。『今回もそのつもりでやっていきたい』と思っていたら、ファンの方が頑張って下さいました」

AKB48坂口渚沙、NMB三田麻央、井尻晏菜と4人で上位3枠を争った。

「なぎちゃん(坂口)のファンが本当に強かったです。それまでずっと4位とかにいたのに、急に1位になったり…。三田や井尻晏菜ちゃんも勢いがすごくて、4人でデッドヒートみたいになっていました。まさに抜きつ抜かれつでした。だからこそ、1位になれてうれしかったです」

都築は過去4年間、選抜総選挙に立候補していない。だから、今回はファンと一緒に戦う、数少ない機会でもあった。

「SKE48のファンの方って、適材適所を分かっているんです。『グラビアメンバーを決める投票だと、この子を上位に』とか。私は『声優をやりたい』って前から言っていて、前回一緒に役をいただいた谷(真理佳)が今回、立候補していなかったんです。だから今回は、私に投票してくれた箱推し(SKE48のチーム全体を推すファン)の方が多かったと思います」

ゲームの声優を務めるのは2回目だが、今回はリベンジの思いが強い。

「前回は実装されて3カ月ちょっとで配信が終わっちゃったんです。それが悔しかったから、もう1度声優をやりたいと思いました。ファンの方もその悔しさを分かっていて、支えてくれたんです」

神話の時代から長い歳月がたったある日、輝きを取り戻したクリスタルによって誕生した5つの王国が舞台。戦乱の世に、剣や魔法で戦う王道ファンタジーだ。

「世界観はザ・ファンタジーですよね。世界観が難しくても、キャラがとにかく多いので、それだけでも楽しめると思います。特に女の子のキャラがめっちゃかわいいので、アイドルファンの方もそこから入っていきやすいですね」

都築が声を吹き込んだのは、魔法使いのココというキャラクターだ。

「見た目から分かる通り、元気なキャラですね。だけど呪文を忘れちゃうとか、魔法の力を持っているのにうまく使えなかったり、ちょっとドジなんです。ポンコツな要素も含め、愛されるキャラかなって思う。でも…実はファンの方が驚く、まさかの要素が設定が入っているんですよ」

キャラクターデザインには、制作スタッフの思いが込められている。

「冠をかぶっているんですけど、それは1位になった証しなんです。衣装も、私の推しサイリウムの色のペパーミントグリーンと青を使ってくれたり、スタッフさんからの愛を感じました。ファンの方と1位を取れて良かったって、あらためて思いました」

普段のツンデレぶりからは想像のできない声を出したという。

「元気で活発で明るい感じのキャラですし、年齢の設定は16歳となっていたので、いつもの声のトーンよりは高めで元気にしました」

収録した声は124パターン。収録の楽しさ、終わっていく寂しさを同時に感じていた。

「握手会の当日に収録したんですよ。ずっと楽しかったです。録り続けていくと、少しずつ終わっていくんですけど、『終わらないでほしい。ずっとマイクの前に立っていたいな』って思っていました」

もともとアニメが大好きで、新しいテレビアニメはほとんどすべて見るほど。SKE48内の同好会的ユニットで、かつて松井玲奈も在籍した「2次元同好会」の5代目会長を務めている。

「アニメを見ているうちに、声優さんにも詳しくなって、どんどん好きになって憧れるようになりました。特に堀江由衣さんが大好き。今回のCV(キャラクターボイス)も担当されているんですよ。収録ではお会いできなかったですけど、もし会ったら大興奮しちゃうと思います(笑い)」

声優にかける思いは並大抵ではない。春から声優学校に通っている。

「学校には4月から通い始めたんです。学校のことはファンの方には言ってないですけど、1度握手会を『学業の都合』と言ってお休みしたことがあったので、感づいている方はいるかもしれませんね。学校にはずっと『行きたいな』とは思っていたんですけど、以前のゲームの配信が終わったのが悔しくて、自分から動かないとダメだなと探しました。だけど、入ったらすぐこのイベントが発表されて、ラッキーでした」

学校に通うようになって、生活も、声を発することに向き合う姿勢も変わった。

「平日はお仕事がかぶらない限り、毎日通っています。テレビでナレーションを聞くと、鼻濁音(鼻から音を抜く濁音の子音)とか無声音とかを気にするようになりました。プロの声優じゃない方がナレーションをしている時、『そこ、鼻濁音じゃない?』とか思ったり(笑い)。公演の影アナは、以前から『聞きやすいね』って褒めてもらっていましたけど、最近はさらに褒めてもらうことが増えて、うれしいですね。もう全部の公演で影アナやりたいくらいです(笑い)」

10年デビューの4期生は、当初の16人から現在は高木由麻奈と2人だけになった。

「由麻奈とは、最初の組閣で離れてからずっとチームが違うんです。だけど、由麻奈が作った曲がコンサートで使われると、私はたぶん誰よりうれしく、楽しく踊ってますよ。『由麻奈が作ってる』と思うとうれしいし、誰よりもかっこよく踊ろうって思えます。本人には恥ずかしくて言えないですけど(笑い)」

もちろん夢は声優であり、表現者だ。

「もともと演技がしたいとはずっと思っていたんです。SKEに入る前、舞台とかミュージカルには出ていたんです。声優さんは、声だけであれだけ表現できるのが単純にすごいなって憧れています。最近では、舞台に出ている声優さんもたくさんいる。だから、私も舞台をやれて、声優もやれて、アーティスト活動もして…というふうに、活動の幅が広い人になりたい」

AKB48グループの知識を問う「AKB48センター試験」で選抜入り、舞台「ロミオ&ジュリエット」に出演と、今年は飛躍の1年だった。

「出来事がすべて、上半期に集中しているんですけどね(笑い)。ファンの方も喜んでくれて、握手会でも『1位を取ったから来たよ』と言って来てくれる方が多かったです」

夢に大きく近づいた1年だった。

「舞台『ロミオ&ジュリエット』ではお父さんの役で、今回は16歳の若い女の子の役です。役の幅が広い役者さんになりたいと思っているので、それを見せるチャンスにもなったと思います。声は普段の私より断然、かわいいですし(笑い)、めったに出さない、かわいい声を出しました。恥ずかしいけど、聞いてほしいですね」

◆都築里佳(つづき・りか)1995年(平7)11月8日、愛知県生まれ。愛称「りかちゃん」「ぴよす」。10年加入の4期生で、同年チームEに昇格。現在チームS。趣味はダンス、カラオケ、オタ活(2次元)で、SKE48の2次元同好会会長。154・5センチ、血液型O。