中村泰士氏、たかじんさんは「人生訓話を話してた」

北新地をテーマにした歌のオーディションを行う中村泰士氏(右)と塩乃華織(撮影・村上久美子)

 作詞・作曲家の中村泰士氏(78)が6日、大阪市内で、北新地で働く女性をテーマにした「北新地のうた」歌手オーディションを行い、“キタ”でともに飲んだ故やしきたかじんさん(享年64)の思い出を語った。

 「もう10年ほど前、それ以上かな。3~4回ぐらい一緒に飲んだ。印象はホステスさんに説教ばっかりしてたな。人生訓話を話してましたね」と笑った。

 大阪有数のクラブ繁華街、北新地は、たかじんさんが愛した街として知られる。中村氏も大好きだといい、たかじんさんと交遊を深めた街だった。ある晩、たかじんさんが「俺、歌う」と言い出したことがあり、たかじんさんのカラオケを聴いたこともある。

 歌ったのは、中村氏が盟友の佐川満男に書いた「今は幸せかい」。中村氏は「うまいですわ、彼は。佐川君とはまた違った味でね、やしきたかじんそのものの歌だった」と振り返った。

 中村氏によると、たかじんさんは「この曲は俺の不遇時代を思い出す歌。聴いていると、今も涙が出てくる」と話していたそうで、その日も歌いながら泣いていたという。

 中村氏にとって、そんな思い出がたくさん詰まった街が「北新地」。今年に入って、街を盛り上げようと新地の約430店でつくる「北新地社交料飲協会」から、「北新地の歌を作ってほしい」と依頼され、まず演歌歌手塩乃華織が歌うしっとりした「それぞれの北新地」を企画。そのカップリング曲「北新地の女をなめんといて(仮題)」を、北新地で働く女性の中からオーディションで選ぶことを決めた。

 この日は、北新地近くのカラオケ店で、そのオーディションを開催。楽曲は「ダンサブルな曲調」を予定しており、中村氏は「ウイットに富んだ歌なので、キュートな女性がいい。3~5人組で考えている」として、この日受験した20~60歳の女性のオーディションを始めた。

 合格者は7日午後6時に発表され、11月17日の「北新地パーティー」でお披露目される。CD発売やカラオケ配信も、11月半ばを予定している。