バイオリニスト川井郁子(52)が自身で制作総監督を務める奏劇「月に抱かれた日~ガラシャとマリー・アントワネット~」(12月14、15日、東京・新国立劇場ほか)の舞台映像の特別試写会が1日、都内で開かれた。

奏劇は立体ホログラムやCGを駆使した映像と、生の演奏がコラボしたステージ。川井は戦国時代の宿命に露と消えた細川ガラシャ(玉)を演じている。雅楽の笙(しょう)、しの笛、琴、太鼓の楽隊を従え、戦国時代の小袖姿で愛器ストラディバリウスを演奏している。

夫の細川忠興役は花柳寿楽(53)。若き日のガラシャを川井の娘の花音(かのん)さん(14)、同じく忠興を子孫である細川護熙元首相の孫の三井高聡(たかあき)さん(14)が演じている。高聡さんは、細川元首相の長女智子さんの息子。

川井は「昨年はアルバムデビュー20周年でしたが、大変な1年になってしまいました。でも、その間、構想して作り上げてきた舞台の映像が完成したので、ぜひ見てください」。そして「愛のあいさつ」、花音さんのギターと一緒に「カノン」の生演奏を披露した。

花音さんは「演劇ともミュージカルとも違う不思議なジャンルで難しかった。12月まで時間があるので母と話し合って、いい演出、演技ができるようにしたい」。高聡さんは「先祖の方は両親や祖父母からも欠かされてきました。緊張と楽しみが半々ですが、本場には以外と強い方なので頑張ります」と話した。

明智光秀の娘のガラシャは、熊本藩の開祖となった忠興のもとに嫁いだ。忠興が東軍にくみした関ケ原の合戦に際して、西軍の人質になること拒んで自刃した。キリシタンでもあったガラシャの悲劇は、ヨーロッパにも伝わり、18世紀にはフランス革命で処刑された王妃マリー・アントワネットの前でも演じられた。