植松被告暴れ遺族方向突進し制止…2時間早く閉廷

初公判が行われた横浜地裁

相模原市の知的障がい者施設「津久井やまゆり園」で2016年に入所者ら45人が殺傷された事件で、殺人罪などに問われた元職員植松聖被告(29)の裁判員裁判の初公判が8日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で行われた。午後4時15分までの予定だったが、植松被告の不規則行動などがあり、午後2時15分ごろ、閉廷した。

植松被告は、検察官が起訴状を読み上げた後、裁判長から質問を受ける中で「皆様に深くおわびいたします」と口にした後、激しく体を動かした。自ら舌をかむかのような動きの後、首を絞めるようなそぶりをした。

植松被告はその後、パーテーションで仕切られた傍聴席に座る、被害者参加制度を利用した遺族らの方向に突き進もうとしたが、4人の刑務官に羽交い締めにされた。「やめなさい!!」と怒鳴りつけられたが、動きをやめず、床に押さえ付けられた。出血は見られなかった。その後、傍聴人と報道陣には退廷が命じられた。

検察側と弁護側の事実関係には争いがなく、争点は植松被告の刑事責任能力の有無だった。弁護側は同被告が大麻を使用した影響で精神状態が不安定だったとして無罪を主張した。【村上幸将】