札幌ACL見据えチャナティップ母国タイ合宿プラン

札幌のキャンプ地

北海道コンサドーレ札幌が19年の春季キャンプ地にタイを検討していることが29日、分かった。現在4位で初のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場圏内(3位以内)に迫っており、クラブがアジアを意識。今年は6年ぶりの海外として、米ハワイで2次キャンプを9日間実施したが、来年はMFチャナティップ(24)の母国で、トレーニングを重ねる可能性が浮上している。

札幌にとってACL出場が夢から目標に変わっている証しだ。来年のキャンプ地の候補にタイが挙がっている。これまで海外キャンプはオーストラリア、メキシコ、米グアム、ハワイで実施した経験はあるが、アジアはない。三上大勝GM(46)は「なんとか近い将来にACL出場と考えた時に、キャンプでタイに行くというのはいいのかなと。第1候補です」と話す。ACLで日本とタイは東地区同士。対戦する可能性もあり、アウェー戦で乗り込むことになる。そんな異国の地への適応も狙いの1つだ。

タイはチャナティップの母国。札幌への来季完全移籍が決まっている同国スターの凱旋(がいせん)となれば、歓迎されるはずだ。三上GMも理由として「チャナティップが一番大きい。アジアならタイかな」と明かす。札幌のクラブとしての認知度もチャナティップを通じて高まっている。

2年連続のハワイ行きは現時点では可能性は低く、代わりとして候補に浮上したのが、昨年7月に遠征を行ったタイだ。今年は広島、C大阪、名古屋が春季キャンプを実施。同国リーグのクラブと練習試合を行っており、キャンプ地としての環境面は整っている。札幌もタイ行きが決まれば、チャナティップの古巣ムアントンとの練習試合も構想に入りそうだ。ハワイと比較すると移動面や費用面でも負担軽減が予想される。

今年のように国内外3カ所でのキャンプ実施を検討している。積雪で、リーグ開幕後もホームグラウンドが使用できない可能性が高く、他クラブより長期キャンプとなる。選手が約2カ月間の練習を乗り切るため、環境の変化、休日確保の意味でも「第3の拠点」を見据えている。タイは候補地の段階ではあるが、すでに来季への準備は始まっている。

◆タイ 東南アジアでミャンマー、カンボジアなどと国境を接し、面積約51万4000平方キロメートル(日本の約1・4倍)。大多数がタイ族で、人口約6572万人。首都バンコク。熱帯性気候で年間の平均気温は約29度、11~2月は乾期。言語はタイ語。通貨はバーツ。

◆アジア・チャンピオンズリーグ(ACL) アジアのNO・1クラブを決める大会で、今年は出場32チームが8つのグループに分かれ、2月からリーグ戦を実施。現在トーナメント戦を展開中。日本からはJ1リーグの上位3チームと天皇杯優勝クラブに、翌年度のACL出場権が与えられる。重複の場合はJ1の4位に出場権。