仙台関口にJ2山口からオファー、今季28試合出場

仙台MF関口(20年2月撮影)

J1ベガルタ仙台のMF関口訓充(34)に、J2山口から獲得オファーが届いていることが14日、分かった。

複数の関係者によると、チーム最年長タイながら今季28試合に出場し、衰えることのない運動量で攻守に貢献する関口を山口サイドが高く評価。仙台も、精神的な柱である背番号7の慰留に全力を尽くす方針だが、仮に流出すれば、最下位から巻き返しを図りたいチームにとって大きな痛手となる。

今季はプロ17年目でベテランの域に差し掛かりながら、存在感を例年以上に色濃く出した。象徴の7番を背負ってのリーダーシップと声はもちろん、チーム最長の開幕26試合連続出場と健在。直近6日の大分戦では途中出場の9分後にCKでFW山田の追加点をアシストし、2-0の快勝に導いた。クラブワースト2位の17戦勝ちなしと苦しんだ中でも、積極的なSNS発信で感情をサポーターと共有。社長や強化育成本部長の退任というナーバスな話題にも触れ、共闘を求める姿にファンの信頼は厚い。

04年に東京・帝京高から仙台入り。J2時代の09年に50試合出場の主軸として初優勝に尽力し、チームをJ1昇格に導いた。翌10年には生え抜き選手として初の日本代表入り。13年に浦和から引き抜かれ、15年にはC大阪へ移籍。18年に仙台へ6季ぶりに復帰すると16試合、22試合、そして今季はJ1自己最多の30試合に、あと2と迫っている。

クラブは今期、新型コロナウイルス感染拡大の影響で入場料およびスポンサー収入が激減。最終赤字は約6億6000万円で約3億円の債務超過に陥る見込みとなっている。関係者によると、本人は残り2試合に集中したい意向とベガルタへの愛着が強いというが、過去にない苦境の中、チームの顔でもある関口への触手をクラブは防げるか。交渉のゆくえが注目される。