スペースワールドに最大級アウトレット イオンが娯楽施設も

閉園から4、5年後の開業を計画

 今年末で閉園する北九州市八幡東区のテーマパーク「スペースワールド」(SW)の跡地活用策で、大手流通会社のイオン(千葉市)が、西日本最大級とみられるアウトレットモールやレジャー施設を合わせた九州初の複合型施設を計画していることが24日、分かった。開業時期は、閉園の4、5年後を目指しているとみられる。

 土地を所有する新日鉄住金は、イオンと活用策について協議中とみられ、近く北九州市に検討状況を報告する見通し。

 関係者によると、計画では閉園後、数年かけて新施設を整備。アウトレットモールに加え、子ども向けのレジャー施設も開設されるもようだ。九州初の施設を設け「市外から集客ができる施設を目指している」(行政関係者)という。

 八幡製鉄所の遊休地を活用したSWの敷地面積は、ヤフオクドーム(福岡市)3個分超の24万平方メートル。イオンは2006年から、SWの隣接地でショッピングモール「イオンモール八幡東」(6万7千平方メートル、約140店舗)を運営している。両施設がある八幡東区の東田地区は、JR九州の駅に加え、九州自動車道や東九州道と連結した都市高速道路の出入り口にも近接しており、交通の利便性は高い。イオンは既存施設との相乗効果を期待しているとみられる。

 イオンは11年、埼玉県越谷市のショッピングモール(26万4千平方メートル)隣接地に、同社初のアウトレットモール「レイクタウンアウトレット」(7万6千平方メートル)を開設している。人気セレクトショップやブランドショップ約140店舗が入居しており、ショッピングモール部分も含め、全体の年間来場者は約2千万人という。

 九州には現在、三菱地所グループが佐賀県鳥栖市で運営する「鳥栖プレミアム・アウトレット」(13万4千平方メートル、約150店舗)と、福岡地所(福岡市)が福岡市西区で運営する「マリノアシティ福岡」(8万5千平方メートル、約150店舗)のアウトレットモールがある。

 SWの跡地活用を巡っては今月7日、福岡県の小川洋知事と北九州市の北橋健治市長が新日鉄住金の佐久間総一郎副社長と都内で面会し、活用策の方向性を早期に示すように要望。同社側から具体的活用案への言及はなかったが「近く検討状況を示す中間報告をする」との回答を得ていた。

=2017/04/24付 西日本新聞夕刊=

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