豊予海峡ルート・新幹線案 1日6800人利用で黒字 大分市試算

 大分市は10日、豊予海峡を橋やトンネルで結ぶ「豊予海峡ルート」について、海底トンネルで同市と松山市間に新幹線(単線)を整備した場合の事業効果の試算を発表した。同区間の大分県側に1駅、愛媛県側に2駅つくる想定で、収益は1日当たり6800人の利用があれば黒字化する、としている。

 利用者は、国の手法に基づけば1日あたり1万8千人になるといい、黒字化が見込める内容。

 調査は2016年に続き2回目。16年はトンネルや橋、新幹線、高速道路など条件を変えた計11パターンを試算した。うちトンネル・新幹線(単線)案が事業費が最も安かったことからこの案について詳しく調べた。事業費は約6860億円。

 事業費や便益のほか、運行ダイヤも試算した。同区間の所要時間は各駅停車の場合が52分50秒~59分、ノンストップの場合が36分20秒~42分40秒と見込まれ、1日32往復の運行ができると結論づけた。

 佐藤樹一郎市長は、「大分の発展には高速鉄道が必要。ただ、愛媛の市町村からは道路を求める声もあり、道路についても検討をしたい」と述べた。

=2018/01/11付 西日本新聞朝刊=

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