自衛官募集の名簿提供「望まない人は除外」 福岡市が周知へ

 福岡市は18日、自衛官募集の対象年齢となる住民の個人情報を住民基本台帳から抽出して紙で自衛隊に提供する運用を巡り、提供名簿から除外を希望する市民への周知に市政だよりやホームページ(HP)を使う方針を示した。市議会総務財政委員会で報告した。市議からは「ダイレクトメール(DM)や会員制交流サイト(SNS)も活用して丁寧に周知すべきだ」などの意見が上がった。

 自衛隊への情報提供では、市はこれまで台帳の閲覧にとどめていたが、システム改修で抽出機能が備わったことを受けて、18歳や22歳になる住民の氏名と住所を記載した名簿の提供を決定。対象者は約3万人に上る。提供を望まない市民については、4~5月に周知して除外申請を受け付ける方向で検討している。

 委員会では、宮浦寛市議(市民クラブ)が「名簿提供には賛否があり、対象者一人一人にDMで確認するなど丁寧な対応が必要だ」と指摘。綿貫英彦市議(共産)や成瀬穫美(えみ)市議(市民クラブ)は「市政だよりやHPでは気付かない人が多い。『提供したくなかった』という人にはどう対応するのか」などとただした。市の担当者は「DMで一人一人に同意を得ることは考えていない。周知期間は十分に設けたい」などと答弁した。

 市では情報発信にSNSを積極活用しており、無料通信アプリLINE(ライン)の市公式アカウント登録者は160万人を超える。新村優市議(無所属)は「若い世代に周知が行き届くようにSNSも活用すべきだ」と要望。市の担当者は「できるだけの方法を考えて周知を図りたい」と述べた。 (黒石規之)

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