休校を春休みまで延長 県教委要請、現場に戸惑いも

 新型コロナウイルス問題を受け、熊本県と県教育委員会は11日、県立学校と私立中学・高校の一斉休校期間を4月の春休み終了時まで延長するよう通知した。市町村教委にも小中学校の休校を延ばすよう要請した。

 県教委は、県立学校を2~15日に休校するよう通知していたが、全国的な感染拡大が収まらず文部科学省の休校要請が継続しているとして延長を決定。校長の判断で、学年末の修了式を開くことや、子どもの健康維持や学習支援のために登校日を設けることを認めた。

 現場には戸惑いも広がる。南阿蘇村教委は11日、校長会を開き、県教委対応に合わせる形で、小学5校と中学1校の休校継続を決めた。ただ、各校とも授業こま数をこなせておらず、子どもの感染予防と義務教育としての学力保障のはざまで、悩ましい選択を迫られた格好。校長会での論議は2時間以上続いた。

 南阿蘇中は来週の学校再開を前提に準備を進めていたという。教頭は「終業式はどうするか、通知表をいつどこでどんな形で渡せばいいのか、これから話し合うことになる」と話した。

 一方、小学生の娘3人がいる合志市のパート女性(39)は「子どもたちは喜ぶだろうけど…」と渋い顔。感染を心配して習い事を休ませていたが「娘たちも行きたがるし、もう行かせようかな」。休校中の授業の穴埋めについても「夏休みに補習をするのかな。そうなると、いろんな予定が狂ってしまう」とこぼした。 (佐藤倫之、和田剛)

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