台風10号「特別警報」見送り 中心気圧予測、基準に達せず

 気象庁が6日、鹿児島県に発表する見通しだった台風の特別警報を見送ったのは、中心気圧が発表基準に達する見込みではなくなったのが理由だ。特別警報の可能性に言及していた長崎県についても「可能性は低くなった」とみているが、特別警報の発表の有無にかかわらず、安全を確保するよう強く求めた。

 発表が遅いとの指摘も出る大雨の特別警報とは違い、台風の特別警報は台風の中心が対象地域に達する12時間前が発表の目安。ただ気象庁は今回、台風10号の勢力予測は「確度が高い」とみて、鹿児島県に到達する24時間前と見込んだ5日夜、緊急記者会見を開いて発表を「予告」していた。

 しかし、当初より勢力が弱まるとみられ、一夜明けて特別警報の発表を見送った。気象庁関係者は「住民の警戒心が緩む恐れもあるが、空振りもためらわず情報を出すのが基本の考え」と説明した。

 台風の特別警報は中心気圧と最大風速の予測を基に出される。発表されたのは沖縄県で過去2回あり、同県以外ではない。(鶴加寿子)

  • 西日本新聞

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