「川辺川ダム存在なら氾濫水量9割抑制」 熊本の7月豪雨で九地整推定

 熊本県南部を中心とした7月の豪雨災害を巡り、国土交通省九州地方整備局は6日、球磨川流域の氾濫により同県人吉市付近であふれ出した水量が5200万トンに上るとの推定結果を公表した。併せて、11年前に建設が中止された川辺川ダムが存在した場合のシミュレーションを発表。ダムの貯水によって氾濫の水量は約600万トンに抑えられ、同市付近の浸水面積が6割程度減少するとした。

 家屋の2階部分に到達する3メートル以上の浸水範囲は、9割減らせたという。熊本市で同日開く国、県、流域市町村の豪雨検証委員会で検討する。

 川辺川ダムは、国が1966年に計画発表。2008年に蒲島郁夫知事が「白紙撤回」し09年に建設中止となったが、今年7月の豪雨災害を受け建設の議論が再燃している。(古川努)

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