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平成30年地価公示、住宅地10年ぶり上昇

 国土交通省は27日、「平成30年地価公示」を発表した。調査地点は全国2万6,000地点。

 平成29年1月以降1年間の地価変動率は、住宅地が全国平均で0.3%(前年0.0%)と、10年ぶりに上昇した。商業地は1.9%上昇(同1.4%上昇)と、3年連続の上昇。全用途平均は0.7%上昇(同0.4%上昇)と、3年連続の上昇。三大都市圏では、住宅地が0.7%上昇(同0.5%上昇)と上昇、商業地は3.9%上昇(同3.3%上昇)と、上昇基調を強めた。また、地方圏も住宅地が0.1%下落(同0.4%下落)と下落率縮小傾向が継続、商業地が0.5%上昇(同0.1%下落)と26年ぶりに上昇に転じたほか、全用途平均も0.0%(同0.3%下落)と横ばいとなった。

 住宅地は、全国的に雇用情勢の改善が続く中、低金利環境の継続による需要の下支え効果もあって、利便性の高い地域を中心に地価の回復が進展。商業地は、外国人観光客の増加等による繁華性の向上を背景とした店舗・ホテル需要の高まり、オフィス空室率の低下等による収益性の向上、金融緩和による良好な資金調達環境による投資家の旺盛な不動産投資意欲により、総じて堅調に推移した。

 都道府県地価調査との共通地点1,652地点での半年ごとの地価動向をみても、全国の住宅地・商業地は年前半・後半ともに上昇。三大都市圏・地方圏も、年前半・後半ともに上昇した。

 全国の調査地点を上昇・横ばい・下落別にみると、住宅地は上昇6,809(同6,082地点)、横ばい4,060(同4,067地点)、下落7,317(同7,760地点)。商業地は、上昇3,276(同2,874地点)、横ばい1,090(同1,034地点)、下落2,039(同2,234地点)。住宅地・商業地とも、「上昇」が大幅に増え、「下落」は減少した。

 都道府県別地価変動率は、住宅地が上昇した都道府県数が14(同11)、2%以上下落した都道府県数はなかった(同2)。商業地は、上昇した都道府県数が21(同18)、2%以上下落した都道府県数はなかった(同4)。

 今回、最も上昇した住宅地は、北海道虻田郡倶知安町南3条東1丁目16番9の33.3%上昇。商業地も、北海道虻田郡倶知安町南1条西1丁目40番1外で35.6%の上昇。外国人観光客の増加に伴う店舗需要やリゾート施設従業員の宿舎需要が高まっているほか、北海道新幹線建設工事の進展、外国人別荘地としての需要も旺盛であることから、大幅に地価が上昇した。


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