兼業を原則禁じる地方公務員法に違反し、約7千万円の賃貸収入を得ていたにもかかわらず、改善命令に従わなかったとして、佐賀広域消防局は31日、佐賀消防署予防指導課の男性消防副士長(44)を懲戒免職処分にした。

 消防局によると、副士長はマンションや貸店舗、駐車場など計12件を佐賀市内外に所有。同局は今年1月、7月19日までに人事院規則に沿って、個人名義の物件を、5棟10室、駐車台数10台未満、賃貸収入500万円以下に縮小するよう命令していたが、期限を過ぎても改善が認められなかった。

 副士長は聞き取り調査に、「損をしてまで売るつもりはない」「兼業を禁じるのは時代に合っていない」などと話している。

 田原和典消防局長は「法を守り、住民の模範となるべき公務員が不祥事を起こし、誠に申し訳ない。一日も早く市民の皆さまの信頼を回復できるよう、高い倫理観を持って職務に専念していく」と述べた。