理化学研究所の元研究員、小保方晴子氏の著書「あの日」が先月28日、講談社から出版された。内容はもちろん、STAP細胞にまつわる一連の騒動についての、同氏の立場から見た世界である。発売前にはネットでニュースが流れ、当日はテレビのワイドショーで大きく取り上げられた。
それに比べると新聞各紙の扱いは、かなり小さいものだった。適切な対応といえるだろう。著書にはSTAP細胞について、新しい情報はなにも書かれていない。
そもそも小保方氏は弁明の公的機会を何度も与えられてきたのに何一つ明らかにせず、一方的な主張を著書として出すのはどうしてなのか。今月2日付産経に、実験の一部は再現できていたとの小保方氏の主張に対して、理研関係者から「科学者なら科学の場で議論すべきだ」などと困惑の声が上がっている、との記事が出ていた。もっともな話だろう。