台湾初の慰安婦記念館が開館

台湾初の慰安婦記念館が開館
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 【台北=田中靖人】台湾で初めてとなる慰安婦記念館「阿●(女へんに、つくりは「麻」の下に「糸」の上部分)=アマ(おばあちゃん)=の家 平和・女性人権館」が10日、台北市内で正式に開館した。

 台湾では、1992年に元慰安婦だと名乗り出た58人のうち3人が存命。開館式典にはその一人、陳蓮花氏(92)が出席し、「みなが思いやりをもって守ってくれた」と謝意を述べた。鄭麗君文化部長(文部科学相に相当)は「歴史を残すことで傷みに向き合い、同じ過ちを避けることができる」とあいさつした。

 記念館は、女性人権団体「婦女救援基金会」が台北市内の2階建て商店跡を改装した。展示物に史料は少なく、同基金会による支援活動を振り返る写真や絵画などが中心。1階の喫茶店の収益を維持費に充てる。

 式典には、台湾で慰安婦として過ごした韓国人女性のほか、日本や中国、米国の支援者も出席した。今年3月に行われた看板の除幕式には、元慰安婦への思い入れが強い馬英九総統(当時)が出席、日本政府に謝罪と賠償を求めた。5月に発足した蔡英文政権は日本への配慮から、表だって慰安婦問題を取り上げていない。

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