「なにわ筋線」に阪急乗り入れへ 事業計画案、大阪府、JR西など5者が協議

「阪急新線」とJR西などが計画している「なにわ筋線」
「阪急新線」とJR西などが計画している「なにわ筋線」

 新大阪から関西国際空港までをつなぐことを目指す鉄道新線「なにわ筋線」の事業計画案に、阪急電車の乗り入れが盛り込まれていることが16日、分かった。各社の乗り入れで、それぞれの沿線住民の利便性を高める狙い。平成42年頃の開業を目指し、大阪府と大阪市、JR西日本、南海電鉄の4者と阪急電鉄が28年度内に結論をまとめる方向で検討を進める。

 なにわ筋線はJR大阪駅北側の再開発地区「うめきた」にJR西が地下に建設中の東海道線支線の新駅から、JR西、南海のそれぞれの難波駅などとつなぎ、関空と結ぶルートを想定。完成すれば大阪市中心部と関空が現状の1時間前後から30分台に短縮される。

 検討案では阪急が新駅と十三駅をつなぐ新線を建設し、なにわ筋線に乗り入れる。新駅で乗り換える案もある。阪急は十三-新大阪の鉄道免許を取得しており、将来的には新大阪に新駅を作る構想もある。阪急電車となにわ筋線の連絡が実現すれば、神戸・京都方面に延びる阪急沿線と、和歌山方面に延びる南海沿線が1本につながる、関西の新たな南北軸が誕生する。

 なにわ筋線は16年の近畿地方交通審議会答申で「中長期的に望まれる新路線」と位置づけられ、国は概算建設費を約1800億〜約3200億円と試算。巨額の費用が原因で議論は停滞していたが、近年は外国人観光客の大幅な増加を受けて、4者で本格的な協議が行われてきた。

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