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人気独走のラグジュアリーSUV トヨタ ハリアー

流れるようなボディーラインの新型ハリアー。元祖ラグジュアリーSUVとして好調なセールスが続く=静岡県伊豆の国市(ソニー α7RⅣ FE70-200mm F2・8GM)
流れるようなボディーラインの新型ハリアー。元祖ラグジュアリーSUVとして好調なセールスが続く=静岡県伊豆の国市(ソニー α7RⅣ FE70-200mm F2・8GM)

トヨタのミドルサイズSUV「ハリアー」。日本の道路事情に見合ったボディーサイズと高級感あるインテリアで、ラグジュアリーSUVという新ジャンルを生み出した。平成9年の初代登場から衰えることのない人気で、好調な売れ行きが続く。デビューから24年、ハリアーは4代目となった。流れるようなデザインは洗練さを増し、最先端の安全技術を装備する。299万円からという価格を武器に、ライバルの先を行く。話題の新型ハリアーに試乗した。


高級感あるインテリア 装備も充実

ハリアーはS・G・Zの3つのグレードがあり、今回試乗したのはGのガソリン車。2リッターのエンジンを搭載し、ダイレクトシフトCVTを積む。

試乗車にはJBLプレミアムサウンドシステムや12・3インチの液晶モニターなど50万円超のオプションが装着されており、最高グレードのZに近い仕様になっている。

包み込まれるような高級感あふれるインテリア
包み込まれるような高級感あふれるインテリア

ハリアーの魅力は流れるようなボディーラインとエレガントなインテリア。大きく張り出したフェンダーで立体感が増しており、価格を超えた仕上がりだ。

シートやセンターコンソールの質感はレクサスと見間違うほど。スイッチなどは最小限に抑えたシンプルなデザイン。操作の多くは液晶モニターで行い、表示もわかりやすい。

馬の鞍をイメージしたというセンターコンソールは美しさを際立たせる
馬の鞍をイメージしたというセンターコンソールは美しさを際立たせる

まるでレクサス 1クラス上の安定感

スタートボタンを押すとやや大きめの始動音が響く。最近はハイブリッドやEVの試乗が多く、ガソリン車のエンジン音は新鮮だ。回転を上げると甲高くなるエンジンのサウンドが心地よい。クルマ好きならエグゾーストノートは、もう少し野太くてもいいだろう。

2リッターのガソリンエンジンは、燃費15・4キロで走りもいい
2リッターのガソリンエンジンは、燃費15・4キロで走りもいい

サイズは3代目に比べて長さが15ミリ、幅が20ミリ大きくなったが、取りまわしは悪くない。荷室は409リッターと十分な広さを確保する。

高速道路での乗り心地は1クラス上の安定感がある。空力が優れているのか、強い横風でもクルマの動きは乱れない。

街中では十分な走りだが、山道ではパワー不足を感じる。1・6トンのボディーを171馬力で持ち上げるのは、少々厳しいのだろうか。下りでもフロントの重さからくるアンダーステアが気になった。

売れ行き好調 納期は数か月待ち

燃費は15・4キロで、レギュラーガソリンを使用するなど、維持費を抑えようとする努力が感じられる。

レクサスで、このクラスを探すならRXとなり、価格は524万円からとハリアーのお得感はかなりのもの。さらに価格を抑えたければRAV4という選択肢もある。

これだけのラインアップをそろえることができるのはトヨタだけがなせる業。発売1カ月で4万5000台の受注があり、納期は数カ月待ちが続く。

SUVにプレミアムというという価値を与えたハリアー。ライバル不在で、人気はまだまだ続くだろう。(土井繁孝、写真も)

ハリアー G(FF) ガソリンモデル

定員: 5人

全長: 4740ミリ

全幅: 1855ミリ

全高: 1660ミリ

車両重量: 1570キロ

エンジン: 1986cc直列4気筒

出力: 171馬力

燃費: WLTCモード 15・4キロ

車両本体価格: 341万円

スタイリッシュなデザインだが車内は広く、使い勝手も良好だ
スタイリッシュなデザインだが車内は広く、使い勝手も良好だ

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