抗体カクテル療法承認 コロナ薬候補、20日から配送

厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関(佐藤徳昭撮影)
厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関(佐藤徳昭撮影)

新型コロナウイルス感染症の治療薬候補「抗体カクテル療法」について、厚生労働省は19日、国内での製造販売を特例承認した。ウイルスの働きを抑える2種類の中和抗体を組み合わせた点滴薬で、重症化を防ぐ。中外製薬が申請していた。国内で使用できる新型コロナの治療薬は4例目で、軽症や中等症用としては初となる。供給量が限られるため、承認後は国が管理し、20日から医療機関への配送を始める。

抗体カクテル療法は、「カシリビマブ」と「イムデビマブ」の2つの中和抗体を組み合わせて使う。中外製薬によると、海外の臨床試験では患者の入院または死亡のリスクを7割程度減らす効果が確認された。

スイス製薬大手ロシュと米製薬企業リジェネロン社が開発し、国内での販売を中外製薬が担う。政府は今年分の日本国内への供給量を確保することで中外製薬と合意している。当面の投与対象は基礎疾患など重症化リスクのある入院患者に絞る。患者の費用負担は発生しない。

田村憲久厚労相は19日、報道陣に対し「ワクチン接種が進み、これから軽症者が増えてくると予想される。適切な対応をしていくための一つの治療として確立されれば」と語った。

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