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広島・野村、FA権行使せず残留「もう一度リーグ優勝、そして日本一に」

残留会見で晴れやかな表情を見せる野村。カープ愛を貫いた(撮影・加藤孝規)

 広島・野村祐輔投手(30)が26日、今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使せずに残留することを表明した。広島市のマツダスタジアムで記者会見し「カープが好き。このチームでもう一度リーグ優勝、そして日本一になりたい」と決意表明。まだ正式契約は交わしておらず、球団からは2年契約で出来高を含めて総額3億円を掲示されたとみられる。

 熟考の末に、カープ愛を貫いた。野村が国内FA権を行使せず、赤ヘル残留を明言。エースとして復権を誓った。

 「やっぱりカープが好き。このチームでもう一度リーグ優勝、そして日本一になりたい。今年はチームとしても、個人としても悔しい思いをした。チームを引っ張っていけるような選手でありたいと思っています」

 7月に国内FA権を取得した今季は6勝5敗、防御率4・06と苦しみ、チームも4年ぶりのBクラスに終わった。前日25日に球団と3度目の交渉をした後は「うーん…」と悩める胸中を吐露していたが、同日夜に残留を決断。仲間の説得が、心を動かした。

 シーズン後、大瀬良からスマートフォンにメッセージが届いた。「祐輔さんは特別な先輩です。優勝を目指して、力を合わせていきたいです」。床田とは顔を合わせる度に「残ってくださいね」と声をかけられた。佐々岡新監督からは電話で「力になってほしい」とラブコール。カープ愛はより強くなった。


 会見には大瀬良と床田が乱入する一幕も。テレビカメラの後ろで見守る後輩を見つけた野村は「同僚から、一緒にやってくださいと声をかけてもらいました。その思いがうれしくて、こういう決断になった」と照れ笑いを浮かべた。

 「すごく明るいチームですし、年齢が若い選手が多くて、すごく馴染みやすい。来年に向けてやってやるぞという気持ちです。感謝の気持ちをプレーで恩返ししたい」

 球団からは、2年契約で出来高を含めて総額3億円を提示されたとみられる。正捕手の会沢に続き、2016年に16勝3敗で最多勝と勝率第1位のタイトルを獲得した右腕が残留。リーグ4位からの逆襲へ、ムードは高まっている。 (柏村翔)

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