大島の鉄腕・大野稼頭央 2日連続登板でも2失点完投 2日で346球の熱投「勝ててほっとしています」

[ 2021年11月8日 05:30 ]

高校野球秋季九州大会1回戦   大島3-2大分舞鶴 ( 2021年11月7日 )

<大島・大分舞鶴>完投した大島・大野
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 1回戦5試合が行われた。大島(鹿児島1位)は引き分け再試合で、大分舞鶴(大分2位)に3―2で競り勝った。来秋のドラフト候補の左腕・大野稼頭央投手(2年)が2日連続で先発し、9安打を浴びながらも毎回の12奪三振で2失点完投した。8日の休養日を挟み、9日に準々決勝4試合が行われる。

 1点リードで迎えた9回、大島のエース大野は最後の打者を打ち取ると、力強くガッツポーズした。スタンドからは熱投をねぎらう、割れんばかりの拍手が注がれた。2日で346球を投げ抜いた左腕は「勝ててほっとしています」と息をついた。

 前日6日は雨が降り続ける中で延長10回まで186球を投げ、16三振を奪った。引き分け再試合となり、背中のケアなどをして2日連続で先発マウンドに立った。「疲れが残っていた」。序盤から最速146キロの直球のほとんどが130キロ台だった。それでもカーブやスライダーを織り交ぜながら毎回の12三振を奪った。塗木哲哉監督は「いろんなピッチャー(の形)に自分を変えられるところが彼の成長」と称えた。

 プロのスカウトから熱い視線を注がれている。前日の試合を視察したオリックスの縞田拓弥スカウトは「ボールに切れがある」と高く評価していた。あす9日の準々決勝で興南に勝てば、21世紀枠として出場した14年以来のセンバツ出場が見えてくる。

 西武、楽天、メジャーでも活躍した松井稼頭央(現西武1軍ヘッドコーチ)の大ファンだった父から「稼頭央」と名付けられた大野は「苦しい展開は続くと思うけど、緩急をつけて打たせて取る投球ができれば」と意気込んだ。

 ◇大野 稼頭央(おおの・かずお)2004年(平16)8月6日生まれ、鹿児島県奄美大島出身の17歳。小学3年から龍郷野球スポーツ少年団で野球を始める。中学では龍南中の軟式野球部に所属。高校では今春県大会にエースとして4強入りに貢献。1メートル75、63キロ。左投げ左打ち。

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