<新型コロナ>インドの感染死者数 実際は政府発表の10倍? 米研究機関が400万人と推計

2021年7月21日 18時36分
新型コロナウイルスのデルタ株(国立感染症研究所提供)

新型コロナウイルスのデルタ株(国立感染症研究所提供)

 【バンコク=岩崎健太朗】インドの新型コロナウイルス感染による死者数が、政府発表の40万人余の10倍に達する約400万人に上るとする可能性を米国の研究機関が明らかにした。各国政府発表などの世界全体の死者数は計400万人超とされ、ほぼ同規模となる恐れを指摘している。
 米研究機関・世界開発センター(CGD)が20日に発表した調査結果は、インドでの陽性率や感染者数、年齢層別の致死率など複数のデータを基に分析したところ、6月までの死者数が340万~470万人となると推計。専門家らは、政府の意図的な過少発表ではなく、医療の逼迫ひっぱくなどの事情で実態を把握しきれていないとみている。
 人口13億8000万余人のインドでは、世界的に猛威を振るう変異株「デルタ株」が4月ごろから急拡大。5月には政府発表で1日あたりの新規感染者が40万人を超えた。都市封鎖やワクチン接種の加速でその後は減少に転じ、新規感染者は10分の1程度まで減っている。地元メディアによると、保健当局は「人口の3分の2が抗体を獲得したが、残りはまだ脆弱ぜいじゃくな状態にある」と警戒。医療用酸素不足による死者の増加も伝えられている。

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