トランプ氏、思い付きで北朝鮮に譲歩姿勢 ボルトン氏の回顧本
2020年6月25日 05時50分
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回顧録には、安倍晋三首相らが米側の安易な譲歩を懸念し、慎重な対応をするよう繰り返し働き掛けていた様子も記されている。
ボルトン氏は2018年4月から19年9月まで約1年半、補佐官を務めた。就任前から北朝鮮の非核化の意思を疑問視し、首脳会談に懸念を持っていた。
18年6月にシンガポールで行われた初の米朝首脳会談前には、谷内正太郎国家安全保障局長(当時)も、北朝鮮についてボルトン氏と同様な見方を伝達。安倍首相はトランプ氏に、北朝鮮との合意には日本を射程に収める短中距離ミサイルの放棄も必要だと繰り返しくぎを刺し、拉致問題の提起も要請した。
また、韓国の文在寅大統領が「金正恩朝鮮労働党委員長は1年以内の非核化に同意した」とトランプ氏に伝えたのに対し、安倍氏は「正恩氏を信じてはいけない」と警戒するよう伝えた。
そのシンガポール会談で、トランプ氏は正恩氏の要請に応じ、米韓合同軍事演習の中止を調整のないまま明言。正恩氏は満足した笑みを浮かべたが、会談後には国内や日韓両国から真意をただす声が上がった。
19年2月のベトナム・ハノイでの首脳会談では、北朝鮮の完全な非核化と制裁の全面解除を一気に進める「ビッグディール」を目指したトランプ氏に対し、正恩氏は寧辺の核施設の廃棄と引き換えに制裁の全面的な解除に固執。妥協を探るトランプ氏が、米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の廃棄を追加で提案すれば、制裁を一部解除する考えを表明したという。
ボルトン氏は、この部分合意は非核化につながらない「悲惨なもの」で、短中距離ミサイルの廃棄も求めていた日本も置き去りになるところだったと回想。結局正恩氏は応じず、トランプ氏も部分合意では批判を浴びると懸念し席を立った。
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