新型コロナ 死者は最多、重症者は4日連続更新 尾身会長「個人の努力に頼るステージ過ぎた」 

2020年11月28日 10時54分
 新型コロナウイルス感染症による死者が増加傾向にある。「第2波」ピーク時を超え、共同通信によると27日の死者は31人となり、5月2日と並び最多となった。また、27日の東京都の新規感染者は570人で過去最多を更新。重症者も61人で、緊急事態宣言解除後の最多を4日連続で更新した。(小坂井文彦、原昌志)

◆専門家は強い危機感

 厚生労働省によると、11月の全国の死者は1~26日で計285人。半年ぶりに多い水準で推移し、既に8月の死者と同数に達した。重症者は「第2波」のピーク(8月23日、259人)から減少していたが、10月中旬から再び増加。今月8日に2カ月ぶりに200人を超え、26日には435人と倍増した。
 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は27日の衆院厚生労働委員会で、「人々の個人の努力に頼るステージは過ぎた」と強い危機感を示し、政府が拡大防止策を取るように訴えた。

◆都は時短営業要請も「トラベル」除外には「国が判断」

 都内の新規感染者は19日から3日連続で500人を超え、その後下回っていたが、6日ぶりに500人を超えた。年代別では30代以下が55%を占め、40代と50代も計25%に上った。最近は無症状者が2割前後と高い水準で推移。都は感染状況を、19日から4段階で最も深刻な「感染が拡大している」に引き上げている。
 小池百合子知事は27日の定例会見で、「できるだけ不要不急の外出を控えていただきたい」と強調。28日スタートの酒類を提供する飲食店などへの時短営業要請では「年末の稼ぎ時に心苦しいが、会食などを通じて家に持ち込まれることを考えると、午後10時で終業していただきたい」と呼び掛けた。
 一方、政府の観光支援事業「Go To トラベル」の東京除外には「全国的な視点が必要で、国が判断するもの」と繰り返した。

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