日本へのワクチン供給「協議中」のまま…ファイザーCEOのツイッター 菅首相「めど」と説明

2021年4月20日 22時48分
ファイザーのアルバート・ブーラCEOが日本への追加供給について言及するツイート(ツイッターより)

ファイザーのアルバート・ブーラCEOが日本への追加供給について言及するツイート(ツイッターより)

◆EUとは「合意」と発信

 米製薬大手ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は19日、新型コロナウイルスワクチンを年内に欧州連合(EU)へ追加供給することで合意したとツイッターで明らかにした。一方、日本については、菅義偉首相と電話協議した17日時点の「協議中」から更新せず、首相が説明する9月までの供給に触れていない。
 ブーラ氏によると、ファイザーはEUには年内に1億回分のワクチンを追加供給。これまでの契約と合わせて計6億回分になるという。すでに必要なワクチン接種をほとんど終えているイスラエルとは来年に数百万回分を供給し、さらに数百万回分を追加するオプション付きで契約を結んだ。
 首相は訪米中の17日、ブーラ氏に電話で追加供給を要請。帰国後には16歳以上の国民全員分が「9月までに供給されるめどが立った」と説明した。だがブーラ氏は17日にツイッターで「(首相とは)追加供給について協議し、安全な東京五輪への期待を伝えた」と書き込んで以降、日本に関して更新していない。
 20日の衆院本会議で、立憲民主党の緑川貴士氏は、ブーラ氏から追加供給の確約を得たのかと質問。首相は「詳細は相手方の関係もあり、差し控える」と詳しい説明を避けた。国民民主党の玉木雄一郎代表も「本当に追加供給を受けるめどが立っているのか甚だ疑問だ」と指摘した。

◆河野氏「契約は未完了」

 これに先立ち、ワクチンの輸送や保管などを担う河野太郎行政改革担当相は記者会見で、首相とブーラ氏の協議に基づくファイザー社との契約は完了していないと明かした。「サインまでは至っていないが、内容的には合意できている。供給量は確保できたので、接種のスピードアップを検討していきたい」と語った。
 政府が9月までにワクチンを確保できたとしても、実際の接種は地方自治体の受け入れ態勢次第で進むため、政権内では接種完了は来春との見方も出ている。(吉田通夫=ワシントン、生島章弘)

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