【ロサンゼルス発】2018年にサイ・ヤング賞を受賞したレイズのブレイク・スネル投手(27)が給与減額でのシーズンは「プレーする価値がない」と自身のゲームストリーミングチャンネルで強調し、大きな話題となっている。

 新型コロナウイルスの感染拡大で開幕を延期しているMLBと選手会は3月に試合数に応じた年俸を支払うことで合意している。昨春、5年総額5000万ドル(約53億5000万円)の契約を交わし、今季は700万ドル(約7億5000万円)の給与がもらえるはずだったスネルは「収益半分なんてあり得ない。俺のは全部、俺のだ。『ブレイク、野球愛のためにプレーしろよ、おかしいのか、金の問題じゃないだろ』って言われるけど、自分の命を危険にさらしてるんだぜ、金の問題じゃないってどういう意味だよ、100%金の問題だろ」と赤裸々に語り、こう続けた。

「カスみたいな額で、命をかけなきゃならないんだ。その上、コロナにかかったら一生体にダメージが残るんだぞ。リスクは天井を突き抜けてるけど、シーズンが短くなったから給料も少なく…ないね。もらうもんもらわなきゃ野球はしない。分かっただろ? 意見が合わないのは申し訳ないが、俺の立ち位置はそこだ」。スネルはこのストリーミングのあとでレイズの本拠地、フロリダ州タンパの地元タンパベイ・タイムズ紙の記者に「欲張りに聞こえたかもしれないが、健康と安全が最も大事だということを言っている」と補足するようにメッセージを送った。

 この発言にメディアが反応。タイムズ紙は「スネルはシーズン再開案についていくつか間違った認識があるようだが、プレーした場合、シーズンがなかった場合の給料、たった30万ドル(約3200万円)以上にはなるだろう」と解説した。ニューヨーク・ポスト紙は皮肉まじりに「ブレイク・スネルはその高潔なMLBわめきを独り言にしておくべきだった」と公で口にすべきではなかったと批判。ただ、減俸問題に関してはドジャースのアレックス・ウッド投手(29)やレッズのトレバー・バウアー投手(29)らも不服の声を上げており、今後も尾を引きそうだ。