楽天がヤクルトの守護神・石山泰稚投手(32)の獲得に向け、今オフの動向を注視している。

 チームのブルペン陣はシーズン中盤まで「鉄壁」と目されていたが、夏場以降になると酷使のツケも響いて急激に全体の数字が悪化している。特に守護神は今季開幕から大役を任されていた森原が成績不振で安定せず、8月末には「右大腿二頭筋損傷」で登録抹消。配置転換でストッパーを任されているブセニッツも直近の登板4試合で2度の救援失敗と苦しんでいる。

 そこで急浮上しているのが、今月7日に国内FA権の資格取得条件を満たしたヤクルト・石山だ。開幕からチームの守護神として安定した投球を続けており、23日現在で38試合に登板。防御率2・35で3勝2敗4ホールド、リーグ3位の17セーブをマークしている。2018年には自己最多の35セーブ。そこから球団史上3人目となる3年連続2桁セーブを記録しており、他球団からも「FA市場のダークホース的存在」として熱い視線が注がれている。その筆頭が楽天というわけだ。

 球団周辺からは「石山が今オフ権利行使すれば、楽天は守護神問題の解決策として即座に動き出すだろう。同じく今オフの国内FA権行使が注目される西武の守護神・増田にもオファーをかけるだろうが、石山との〝両ニラミ〟で仕掛けていくはず。増田を獲得できるなら、セットアッパーもできる石山に8回を任せる選択肢もある。しかも石山は秋田出身で東北は地元。ヤクルトOBとして独自のホットラインを持つ楽天・石井GMとしても放っておくはずはない」との指摘がある。

 石山は年俸8000万円(推定)と金銭保証額はそれほど高くない点も魅力だ。対するヤクルトも石山に触手が及ぶことを警戒しており、今オフは全力で引き留める方針を固めているという。〝FAのダークホース右腕〟を巡り、激しい争奪戦が勃発しそうだ。