オリックスの若きエース・山本由伸投手(22)にフロントが課題を出した。山本は土壇場でソフトバンク・千賀に防御率トップの座を明け渡し、2年連続の最優秀防御率のタイトル獲得を逃した。10月20日の楽天戦を最後に登録抹消されており、千賀を抜き返す逆転登板も模索されたが、疲労の蓄積とコンディション不良から首脳陣が無理をさせられないと判断している。

 チーム内でも「20日の楽天戦も最後の方が状態がおかしかった。無理して来年に差し支えたら大変。奪三振(149)はトップだし、まだ若い。タイトル狙いの登板なんかするより、来年また挑戦すればいい」との声が圧倒的で、さらにフロント幹部は査定についても「タイトルのことより勝利にどれだけ貢献したかの査定になる。2年連続で安定しているし、高評価に変わりはない」と影響はないとしている。

 しかし、一方で「120試合と少なかった中で最後にへたってしまった。シーズンを通して投げられるよう、基礎体力をもっとつけてほしい。あえて言うならその辺が課題ですね」(フロント幹部)とも…。今季は18試合に先発し、8勝4敗、防御率は千賀の2・16に続いて2・20。ほぼ中6日のローテを守り、打線の援護が少ない中で昨年に続いて抜群の安定感を見せた。ただ、最後の楽天戦後にコンディション不良から登録を抹消。山本はその後の登板も首脳陣にアピールしたというが、受け入れられず、悔しい最後となっている。“無双の剛腕”はどこまで成長するか。