日本でも人気を博した韓国の女性グループ「KARA」の元メンバーのク・ハラさん(28)がソウル市内の自宅で死亡しているのが見つかり、日韓両国に衝撃が走っている。韓国警察当局は自殺の可能性も含め、状況を調べている。今年5月に自殺未遂騒動を起こしたハラさんだったが、翌6月に日本の芸能プロダクションと契約し、活動拠点を日本に移していた。今月14日から19日まで日本4都市でライブツアーを行い、元気な姿を見せていたのだが…。いったいハラさんの身に何があったのか?

 KARAのメンバーとして、2011年大みそかのNHK「紅白歌合戦」にも出場したハラさんは、24日午後6時ごろ、ソウル市内の自宅で死亡しているのが見つかった。韓国芸能界に詳しい関係者によると、自殺とみられている。亡くなる前日にはインスタグラムに、ベッドに横になって笑顔の写真に韓国語で「おやすみ」と添えて投稿していた。

 活躍の裏ではトラブルも発覚していた。昨年、元交際相手との間に、DVやリベンジポルノ問題を抱えていることが発覚し、裁判ざたになっていた。また、インターネット上での過剰な中傷も重なり、今年5月には自宅で自殺未遂騒動を起こしていた。

 一命を取り留めたハラさんは日本で再起を果たした。6月に日本の芸能事務所「プロダクション尾木」と契約し、9月には再始動第1弾シングル「Midnight Queen」の配信がスタート(CDリリースは今月13日)。今月14日の福岡を皮切りに、19日の東京まで4都市6公演のツアーを“完走”したばかりだった。

 6日には都内でCDリリースイベントに登場し「皆さんの存在が言葉にできないほどうれしいです。再始動ですけど、皆さんにHARA(芸名)の姿をいっぱい見せたいです。日本での活動もいっぱいやります」「東京ドーム(公演)。KARAの時に1回やったことがあります。HARA(ク・ハラ)としてドームツアーをやりたい」などと前向きに語ったほか、日本で牛丼店に通っていることなどを元気に明かしていた。

 ツアー中のハラさんの様子について、関係者は「すごく元気だった」という。それだけに「信じられない」と言葉を失った。とても数日後に亡くなるとは思えない様子だったという。

 韓国に帰国したのは亡くなる2日前の22日。韓国芸能界に詳しい関係者は「ハラさんの関係者もどうしてこういうことになったのか、はっきりとは原因をつかめていない。ただ言えることは、日本ではいつも元気に過ごしていたハラさんだが、ここ最近は韓国に戻るといつも精神的に落ち込んでいた。どうしてもネットの中傷などを目にしてしまい、それで気がめいってしまったようだ」と証言した。

 先月14日には、ハラさんの親友で女性グループ「f(x)」の元メンバー、ソルリさん(享年25)が亡くなった。自殺の可能性が伝えられている。その翌日、ハラさんはインスタでライブ配信を行い「ごめんね。ソルリの分まで頑張って生きるから」と涙を流しながら、憔悴しきった様子で話していた。

 つい数日前にライブでハラさんの元気な姿を見た日本のファンも大きなショックを受けている。

【標的になりやすい低迷アイドル】ハラさんの死について、韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏はこうみている。

「彼女は以前も自殺未遂騒動を起こしており、そのときは、かつての交際相手の男性タレントから暴行やリベンジポルノの被害に遭って重度のノイローゼ状態にあったようです。彼女が眼瞼下垂の手術をしたことを整形手術だとして、心ないファンからSNS上で随分叩かれていたようです」

 韓国ではSNSで特定の有名人に集中砲火的に罵詈雑言を浴びせることがよくある。

「有名人に対するねたみと憂さ晴らしですが、これを苦にして自殺したのがハラさんの親友のソルリさんでした。韓国のネットでは超売れっ子はあまり標的にはならず、低迷したアイドルや女優が被害者になることが多い。アイドルや女優に完璧を求める韓国の風潮とも無縁ではないでしょう」

 さらに「近年はアイドルグループもサイクルが早く、次々と出ては消えの使い捨て状態。アイドルたちの抱えるストレスは並大抵のものではないでしょう」という芸能界事情も付け加えた。