今年で46回目を迎えた東京スポーツ新聞社制定「2019年度プロレス大賞」選考委員会が10日、東京・江東区の東京スポーツ新聞社で行われ、最優秀選手賞は新日本プロレスのオカダ・カズチカ(32)が4年ぶり4度目の受賞を果たした。また年間最高試合(ベストバウト)は新日本プロレスの10月14日の東京・両国国技館大会で行われたIWGPヘビー級選手権、オカダVSSANADA(31)が選出された。授賞式は来年1月16日に都内のホテルで行われる。

 MVP候補にはオカダ、飯伏幸太、ジェイ・ホワイト、ウィル・オスプレイ、宮原健斗(全日本プロレス)の5人の名前が挙がった。その中でも、オカダの支持率は圧倒的。1回目の投票で22票中15票を集め、見事に4年ぶりのMVP返り咲きを果たした。

 文字通りの主役であり続けた。3月の「NEW JAPAN CUP」を制すると、4月にプロレスの殿堂マジソンスクエア・ガーデン(米国・ニューヨーク州)でジェイからIWGP王座を奪還。6月の大阪大会ではクリス・ジェリコを退けるなど、国内外のビッグマッチで激闘を繰り広げ4度の防衛に成功した。

 海外大会での実績やメディア露出をはじめとした世間へのプロレスの発信など、業界への貢献度は選考委員からも「別格」との評価を得た。

 32歳の若さにして4度目のMVPは6度のアントニオ猪木に次ぐ歴代2位。天龍源一郎、武藤敬司、棚橋弘至に肩を並べた格好だ。

 4年ぶりの受賞にオカダは「一昨年も一年中、防衛しても取れなかったですし、去年もV12を達成しても取れなかったんで。『これは一体、どうやったら取ることができるのかな』『これ以上、上がないことをやってきてしまったんじゃないかな』と思ったんですけど」と苦笑交じりに苦悩を吐露した。

 それでも「猪木さんが6回ですか? 次5回目はボクは何をして取ればいいのかまったく分からないですけども、取れるように20年もしっかりやっていきたいと思います」と、いつものオカダらしい言い回しでさらなる飛躍を誓った。

 さらにSANADAとのIWGP戦でベストバウトも獲得した。同賞はなんと前人未到の6年連続受賞。これは歴代3位の記録で、天龍の持つ最多記録「9」にあと2に迫った。

「あと2回(MVPと)ダブル受賞すれば(猪木と天龍)どちらにも追いつくということで…。(IWGPヘビー、インターコンチネンタルよりも)お先に2冠達成しましたので、次はベルトの方を目指していきたいなと思います」と、来年1月4、5日東京ドーム大会のダブル選手権試合での必勝を誓った。

 プロレス界不動の顔として果たさなければならない公約もある。東京ドーム大会の超満員だ。「超満員が4万3000人らしいので。2日とも4万3000人しっかり入れて勝って、2020年は(東京)五輪があるので。五輪に負けないぐらい、また来年もプロレスをたくさん盛り上げたいなと思います」と胸を張ったオカダ。レインメーカーが降らせるカネの雨はまだまだやむ気配がない。