障害者支援を行っているNPO法人五つのパン(鹿毛独歩理事長)は地区センターと協力し、地域住民が絵本制作を通して、交流を深めるプロジェクトを実施している。製本は障害者が担うことで雇用を創出。絵本の制作を通してまちづくりに励む関係者らを取材した。
絵本作りを通して障害者が希望を抱けるまちを作りたい-。
同法人の岩永敏郎理事が長年秘めていた思いが3年前、「やさしい絵本で街づくりプロジェクト」として始動した。同法人が運営する仲町台のカフェ「いのちの木」を拠点とし障害者支援活動や、地域住民の交流の場作りに尽力する岩永代表と、仲町台地区センターの鶴巻三佳副館長が連携する形で実現。プロジェクトは絵本作りを通して住民同士が交流を持つことと、絵本の編集や製本作業を障害者が担うことで障害者の雇用を創出することを目的に立ち上がった。
10人が制作中
活動3年目の今年度は10人の地域住民が独自の絵本作りに挑戦している。近隣の書店員や区内で活躍する絵本作家、仲町台にある日々輝学園の校長など、地域にゆかりのある講師を招へい。約3カ月に渡りストーリーの組み立て方や手制本の方法など、絵本製作のノウハウを学んでいる。同プロジェクトが行っている本を手作業で製本する手製本は継承者が減っており、障害者がその貴重な担い手となる。
2月2日には、10人が集まり、好きな音楽を題材にした作品や、郷土愛の溢れる絵本など、個性豊かな作品を互いに見せあいながら、制作を進めた。話の舞台をせせらぎ公園に設定した長井眞里子さん(65)は「自分の暮らすまちを見つめ直すきっかけになった。友達もできて、嬉しい」と話す。昨年まで日々輝学園に通い、プロジェクトに参加していた柏谷実樹さん(19)は「生活するまちで年代も国籍も違う人に出会うことができて良い機会になった」と振り返り、住民交流が深まっているようだ。
ミモザフェスで初披露
10人分の絵本は、いのちの木スタッフと障害者らで編集と製本を行い、約1カ月をかけて完成させる。「区民の交流と障害者雇用の両方を地域に根差した温かな環境で行うことができている。絵本作りには夢がある」と岩永理事。制作された絵本は3月16日(土)、仲町台ミモザ広場で行われる「仲町台ミモザフェスト」でお披露目予定。
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