カヌーのNHK杯全日本スラローム大会(公益社団法人日本カヌー連盟など主催)が先頃岩手県で行われ、緑区川尻在住の齋藤彰太さん(15歳/橋本高校1年)が男子カナディアンシングルの部で準優勝した。今大会は来年度のジュニア・U-23の日本代表選考会も兼ねており、齋藤さんは日本代表として世界の舞台に向かうことになった。
幼稚園でのカヌー体験が気に入り、小学生の頃から競技にも挑戦するようになった齋藤さん。3歳上の兄で、カヌー競技でいち早く世界を舞台に活躍する康祐さんの影響もあり、すぐに頭角を現すようになった。
齋藤さんが出場する「スラローム」は急流に吊るされた棒状の「ゲート」を決められた方法で通過し、その正確さとタイムを競う。「カヤック」「カナディアン」の2種類あり、カヤックはパドルの両端に水かきが、カナディアンは片方にだけ水かきがついているのが大きな特徴だ。
「やってきたこと出し切れた」
日本のトップ選手約100人が集結した同大会。2位という好結果に「今年1年間やってきたことが出し切れた」と振り返る。中盤までのパドル運びはよかったが、ゴール前の落差の激しい場所で「波の叩き方」を見誤り、思うようにタイムが伸びなかったと話すが、「今ある課題はオフシーズンの間に練習で克服したい」とすでに気持ちを切り替える。
カヌーは、波の形を的確に把握し、パドルを最適な角度で入れて漕ぐと、大きく前に進む。その瞬間が気持ちいいという。練習は、川尻の自宅から車で約20分、道志川の三ヶ木地域にあるカヌーコースで行っている。これは齋藤さんが所属する相模原市カヌー協会や地域住民などが選手のために県の許可を取り付け4年前に整備した練習場で、ここを中心にほぼ毎日腕を磨いている。
憧れの選手は、同じカナディアン種目で東京五輪代表に内定している羽根田卓也さん。兄の康祐さんも今大会にカヤック種目で出場、齋藤さんと同じ2位の成績を収め、2人ともジュニア・U―23の日本代表に選ばれた。兄と種目が異なる理由について「同じ種目だと一緒に五輪に行けないから」と力強く話す齋藤さん。カヌー競技界の新鋭として、これからも世界レベルでの活躍が期待される。
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