「日産GT-R」、怒涛の480psでデビュー
2007.10.24 自動車ニュース「日産GT-R」、怒涛の480psでデビュー
日産自動車は、2007年10月24日、ハイパフォーマンスカー「GT-R」の市販モデルを発表した。年内の12月6日より国内販売が開始される。
■ワールドワイド「GT-R」
日産のハイパフォーマンスカー「GT-R」がデビューした。
初代の誕生から20年後、1989年に復活したR32型「スカイラインGT-R」は、R33、R34とバトンを渡し、2002年8月に生産終了。東京モーターショー2001にデザインスタディが展示された“サードジェネレーション”たる新型は、6年の胎動期間を経てようやく市販化にいたった。
初めて世界戦略車となる新型「R35」のネーミングは、スカイライン名を冠せず、「日産GT-R」になった。
エンジンは、3.8リッターV6ツインターボで、注目のスペックは、480ps/6400rpm、60.0kgm/3200-5200rpm。歴代GT-Rが生きた自主規制時代の280psを一気に200psも上まわる高出力で、世界に名だたるスーパーカーと競り合う。トランスミッションは、新たに開発された2ペダルMTのみ。新しい「独立型トランスアクスル4WD」で、四輪を駆動する。
価格は、777万円から834万7500円まで。日本国内は2007年12月6日、北米では2008年6月中、それ以外の国でも2008年中に発売される。なお、国内の販売目標台数は、200台/月となっている。
■フレンドリーなモンスター
新型「GT-R」のコンセプトは、だれでも、どこでも、いつでもハイパフォーマンスが楽しめる「マルチパフォーマンス・スーパーカー」。「300km/hで走行中に会話が楽しめ」、「オールシーズンタイヤで雪上走行できる」ような高性能を目標に開発された。
エクステリアは、2005年のモーターショーに出展された「コンセプトGT-R」をほぼ踏襲したもので、高性能を感じさせるデザインを狙いながら、「ハコスカのエッジ」や「ケンメリのリアランプ」など、過去のGT-Rらしさを随所に盛り込んだという。
その寸法は、全長×全幅×全高=4655×1895×1370mm。先ごろデビューした「スカイラインクーペ」に比べると、長さは同一、75mm幅広く、20mm低く仕上がった。
プラットフォームは、「GT-R」専用開発。ドアやボンネットにはアルミ材が採用された。
インテリアはバケットシートの2+2。インストゥルメントパネルは、視線の移動が少なくて済むように、メーターとセンターディスプレイが同レベルに隣り合うデザインとなっている。
■480ps、60.0kgm!
史上最強を謳う3.8リッターV6ツインターボエンジン「VR38DETT」は、480ps/6400rpm、60.0kgm/3200-5200rpmを発生し、ライバルと目される「ポルシェ・ターボ」(480ps、63.2kgm)に匹敵。0-100km/h加速に要する時間は3.6秒で、そこから37mの制動距離で停止できる。
トランスミッションは、フォルクスワーゲンのDSGに類似した2ペダル式6段MTを採用。日産とボルグワーナーで新たに共同開発したものだ。
新しい駆動方式もトピック。車両の前後重量配分を最適化する目的で、エンジンとギアボックスを完全に分離した。すなわち、エンジンはボンネット下に、新開発のツインクラッチ式ギアボックスはリアシートの真下に置かれ、互いに長いカーボン製プロペラシャフトで連結される。
通常はFRで走行し、スリップなどの際には、リアのトラクションを第二のシャフトでフロントに戻すしくみである(独立型トランスアクスル4WD)。
伝統的なマニュアルトランスミッションは用意されない。ステアリングホイールに添えられたパドルを介して、アップ、ダウンとも0.2秒で変速作業を終了する。
足まわりは、フロントがダブルウィッシュボーンで、リアがマルチリンク式。標準で20インチのランフラットタイヤを履く。
■チューンドバージョンもスタンバイ
かつてない超高性能を謳う「GT-R」は、メンテナンスまで通常と異なる。専用のサービス施設「日産ハイパフォーマンスセンター」が全国に設けられ、エンジンやトランスミッションなどの計測および調整が3年間無償で実施される。
発表会の最後には、1年後にリリースがウワサされる、さらなるハイパフォーマンスモデル「スペックV」についても触れられた。
こちらは非常にスパルタンで、いわば「サーキットに置きっぱなしになるクルマ」。価格は数百万円増しの限定車になるなど、覚悟を要するモデルになるとのことである。
(webCG 関)