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「あいちトリエンナーレ」閉幕 昭和天皇の肖像を燃やし、足で踏み付ける映像作品…各メディアはどう表現した? 竹田恒泰氏「昭和天皇は私の親戚、深く傷ついた」

 愛知県で開かれた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」は14日、閉幕した。昭和天皇の写真をバーナーで焼き、灰を足で踏み付けるような映像作品などを、公共施設で税金投入して公開することに批判が集中したが、「メディアが真実を伝えない」ことへの疑問も噴出した。作品の公開を認めた張本人である愛知県の大村秀章知事が「即位礼正殿の儀」(22日)に参列することへの反対論も浮上するなか、メディア報道を検証した。

 夕刊フジは、芸術祭開幕直後の8月2日、企画展「表現の不自由展・その後」を記者が取材した。撮影は認められなかったが、その映像作品の印象は取材ノートと脳裏に焼き付いている。

 約20分の映像で強烈なのは、昭和天皇の肖像をバーナーで焼き、顔の部分が最後に燃え尽きる一連のシーンだ。残った灰は地面にこすり付けるように足で踏み付けられた。鮮血を想起させる赤い液体がしたたるなか、下駄を履いた女性の白い足を重ねるインパクトの強い場面もあった。女性の叫ぶような歌声のBGMも流れていた。

 企画展には、昭和天皇の映像作品のほか、慰安婦像とされる少女像や、英霊を冒涜(ぼうとく)するように感じる作品もあり、電話やメールなどで抗議が相次ぎ、8月3日をもっていったん公開中止となった。芸術祭の実行委員会会長を務める大村氏は10月8日に再公開に踏み切った。

 昭和天皇の映像作品について、新聞各紙が報じた部分を別表にまとめた。果たして、作品の実態が伝わるだろうか。

 企画展を直接取材し、近著『新聞という病』(産経新聞出版)がベストセラーとなっている作家でジャーナリストの門田隆将氏は「『燃える』と『バーナーで燃やして足で踏み付ける』とでは、天と地ほど違う。メディアが作品の実態を伝えず、少女像ばかりに矮小(わいしょう)化しようとしたのは、『一部の右翼が反発している』という主張を崩したくないからだろう。旧態依然のメディアが報じない一方、ネットを駆使する人は知っていた。両者の真実をめぐる戦いを如実に現したケースではなかったか」と語った。

 こうしたなか、明治天皇の玄孫(やしゃご)である作家の竹田恒泰氏が11日、自身のツイッターで、大村氏に対し、《昭和天皇は私の親戚である。その昭和天皇を侮蔑し、名誉を毀損(きそん)する展示に対して、私は深く傷ついた。皇族方の多くも同じように傷ついたに違いない》《即位の礼には出席しないでいただきたい。わが国の象徴にヘイトを浴びせる貴殿には、皇居の濠を渡る資格は無い》と発信して、注目されている。

 果たして、大村知事は皇居の壕を渡るのか?

 愛知県秘書課は「出欠の公表は差し控える。脅迫まがいの話もあり、警戒態勢を上げており、愛知県警とも相談している」と語っている。

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