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新型肺炎「抗HIV薬」が効く可能性 すでに多くの患者に投与、安全性も確認

米製薬大手アッヴィは、中国保健当局が新型コロナウイルスによる肺炎の治療に抗エイズウイルス(HIV)薬を試験的に使用していると発表した。複数の海外メディアが伝えている。同社によれば、抗HIV薬「アルビア(カレトラ)」の使用要請を保健当局から受けたという。

また、中国メディアは中国科学院上海薬物研究所などが、新型肺炎に効果のある薬30種を発表、うち12種類が抗HIV薬だと報じている。

近畿大学医学部免疫学教室主任教授の宮澤正顯氏は「抗HIV薬が化学的に効くというデータがあるわけではない。ただし、コロナウイルスの仲間であるSARS(重症急性呼吸器症候群)や、MERS(中東呼吸器症候群)については試験管の実験で、効果があるというデータが出ている。効果があるという可能性を持っている段階」と解説する。

抗HIV薬は、すでに多くの患者に投与されていることから、副作用などの安全性も確認されているという。

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