「iPhone 8/8 Plus」「iPhone X」への機種変更 auユーザーは要注意?:ふぉーんなハナシ
間もなく発売する「iPhone 8」と「iPhone 8 Plus」と、11月に発売する「iPhone X」。これらの機種をau(KDDIと沖縄セルラー電話)で使おうとしている場合、状況によっては注意を要します。【修正】
9月22日、いよいよ「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」が発売されます。iPhoneの10周年記念モデルでもある「iPhone X」の発売が11月3日に控えていることもあり、ここ数年の中では一番「落ち着いた」発売日になるかもしれません。
これら3機種のiPhoneをau(KDDI・沖縄セルラー電話)で使う場合、今までにはない「注意点」があります。
※ 実態により合わせるため、「黒いSIMは要交換 手数料は3000円(税別)」の文章を修正しました(9月20日19時45分)
気付いたきっかけは「ナンバーシェア」のWebサイト
筆者が「注意点」に気付いたきっかけは、auのApple Watch Series 3向けサービス「ナンバーシェア」のWebサイトでこんな注釈を見つけたことです。
iPhone 7/iPhone 7 Plus/iPhone SE/iPhone 6s/iPhone 6s Plus/iPhone 6/iPhone 6 Plusについては、モバイルデータ通信設定で「音声通話およびデータ」を選択してご利用ください。
普段意識しないかもしれませんが、au 4G LTEスマートフォンは黒いau ICカード(SIMカード)を使う「LTE契約」の機種と、灰色のau ICカードを使う「VoLTE契約」の機種に大別されます。前者は国内での3G(CDMA 1X/CDMA 1X WIN)通信に対応しているのに対し、後者は同通信に非対応となっています。
従来のauのiPhoneは、原則として「LTE契約」のスマホと見なされ、黒いSIMカードを使ってきました。「じゃあどうやってVoLTEに対応しているの?」と疑問に思うかもしれませんが、引用した注釈にもある通り「モバイルデータ通信設定で『音声通話およびデータ』を選択」するとVoLTEが有効になる仕組みを取り入れています(iOS 8.4以降ではデフォルトでこの設定になっています)。
au 4G LTEスマホの契約は、黒いSIMカードを使う「LTE契約」(左)と、灰色のSIMカードを使う「VoLTE契約」(右)に大別される。今までのiPhoneは原則として左の黒いSIMカードを用いてきた
iPhone 8/8 Plusがこの注釈に含まれていないことで、筆者はiPhone 8/8 Plus(と後日発売のiPhone X)はLTE契約非対応(=VoLTE専用端末)になった可能性を見いだしたのです。
auの製品情報をよく見てみると……
さらにauのiPhone 8/8 PlusとiPhone Xの製品情報サイトをよく見てみると、こんな注釈があります。
日本国内において3G通信はご利用いただけません。
これはauの3Gエリアでは使えないことはもちろんですが、遠回しにLTE契約(黒いSIMカード)では使えないことも示唆しています。
黒いSIMは要交換 手数料は3000円(税別)
結論からいうと、iPhone 8/8 Plus以降のiPhoneはVoLTE専用端末として位置付けられ、従来の黒いSIMカードは“非対応”とされました。
そのため、黒いSIMカードでiPhoneを使っているユーザーは、iPhone 8/8 Plus/Xへの機種変更に合わせて契約変更を行う必要があります。au取扱店でこれらの機種を購入する場合は、契約変更の手続き(SIMカードの交換)を同時に行えます(※1)。Apple StoreなどでSIMロックフリー版を単体購入した場合は、auショップやPiPitで契約変更手続きを行えます。いずれの場合も、契約変更に伴う事務手数料として3000円(税別、以下同)が必要です。
※1 auオンラインショップで機種変更する場合、新しいSIMカードは本体と一緒に送付されます。到着後、契約者が所定の操作を行うことで契約変更の手続きが完了します(何もしなくても送付日から10日すると自動的に切り替わります)。詳しくはこちらを参照してください
一方、灰色のSIMカードを使っているユーザーは、契約変更なしで機種変更できます。au取扱店で購入する場合、機種変更に伴う事務手数料として2000円が必要です。Apple StoreなどでSIMロックフリー版を購入する場合は、特に手数料はかかりません(SIMカードもそのまま使えます:※2)。
※2 SIMロックフリー、あるいはSIMロックを解除した「iPhone 6s」以降のiPhoneでもVoLTE契約用のSIMカードが使えます(参考記事)
au 3G(CDMA 1X/CDMA 1X WIN)の「終わりの始まり」?
auは国内の他キャリア(NTTドコモ、ソフトバンク)とは異なる3G規格を採用しています。そのこともあり、auは4G LTEエリアを積極的に広げつつ、VoLTE対応端末への切り替えも精力的に進めています。今回、iPhone 8/8 PlusやiPhone XがVoLTE契約専用となったのも、その一環のようです。
ただ、現在でも、ごくごくまれですが「4G LTE圏外」で「3G圏内」というエリアや、3Gの方が安定して通信できる場所は存在します。そのような所に足を踏み入れる人にとって、今までのiPhoneはある意味で「福音」でしたが、今後そうではなくなります。
iPhone 8/8 PlusやiPhone XがVoLTE専用端末になったことは、ある意味でau 3Gの「終わりの始まり」を告げる出来事なのかもしれません。
関連記事
「安心感」と「先進性」が同居 iPhone 8/8 Plusは過去10年の集大成だ
「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」はれまでのiPhoneからデザインを変え、背面にガラスを採用。Appleが独自に開発したプロセッサ「A11 Bionic」を搭載し、カメラのセンサーも刷新した。そんなiPhone 8/8 Plusの実力を徹底検証したい。au、スマホと同じ番号が使える「ナンバーシェア」開始 「iPhone×Apple Watch」で利用可能
auがスマートフォンとアクセサリ端末で電話番号を共有できるサービスを開始。「iPhone」と「Apple Watch Series 3」の組み合わせから対応する。auも「iPhone 8/8 Plus」と「Apple Watch Series 3」を取り扱い 9月15日16時1分から事前予約開始
日本時間の9月13日深夜に発表された「iPhone 8」「iPhone 8」「Apple Watch Series 3」を、au(KDDI・沖縄セルラー電話)が取り扱うことを発表した。事前予約は9月15日16時1分から受け付けるという。iPhone 8/8 Plusは、開催中のキャンペーンの対象機種に追加される。auのSIMカードをiPhoneとAndroidで使い回しできませんか?
auのSIMカード1枚をiPhoneとAndroidスマホで使い回そうと思っています。可能でしょうか?SIMフリーの「iPhone SE」に大手キャリアのSIMを挿したらどうなる……?
「iPhone SE」は、日本の大手キャリアのLTE・4G/3Gネットワークに幅広く対応している。SIMロックフリー版であれば、どのキャリアのSIMカードを入れても正常に動くはず……。大手キャリアのSIMカードを手当たり次第に入れて検証してみよう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.