羽生「星降る夜」を初披露「わきあがるものが」

GPスケートカナダで今季のエキシビション「ノッテ・ステラータ(星降る夜)」を披露した羽生

 グランプリ(GP)シリーズ第2戦スケートカナダ(ミシソーガ)のエキシビションが30日、行われ、男子2位の羽生結弦(21=ANA)が「ノッテ・ステラータ(星降る夜)」を初披露した。サン・サーンスの「白鳥」に、イタリア語の歌詞がついたラブソング。白い羽根がついた華麗な衣装をまとい、ジャンプではなく、スケーティングを重視した美しいプログラムを見事に滑ってみせた。

 この曲は思わぬプレゼントだった。今年4月の世界選手権の際に、浅田真央ら数々のトップ選手を育てた世界的な指導者、タチアナ・タラソワ氏から「ぜひ滑ってほしい曲がある」と声をかけられ、後日CDが送られてきた。

 羽生は「声を掛けていただいたのは非常にうれしかった。僕は、プルシェンコとヤグディンの戦いに憧れて、オリンピックで金メダルをとりたいとか、スケートを本気でやろうと思えたので、ソルトレークシティーの頂点に立った選手を教えていた先生に直接、曲をもらえるなんてほんとに幸せだなと思いました」とタラソワ氏の計らいにあらためて感謝した。

 震災が起こったシーズンに使ったエキシビション「ホワイト・レジェンド」と“白鳥”でつながるだけに、最初に聞いたときは「胸の奥からわきあがるものがありました」。「ホワイト-」の時の、飛び立つイメージとは違い、「優しく包み込むような感じ」を表現したいと語った。