河野太郎衆議院議員が、いい仕事をしています。
神エクセル、ネ申エクセル(Excel)の追放です。
行革推進本部で文科省をよんで、こういう神エクセルを至急、全廃することにしました。また、科研費関係の問題提起の窓口をつくり、順次、対応することにしました。 https://t.co/g497j0ZQgu
— 河野太郎 (@konotarogomame) 2016年11月2日
神エクセル(ネ申)エクセルとは?
神エクセル(ネ申)エクセルとは、データの再利用を全く考えることなしに見栄えばかりを考えて作られた扱いにくいエクセルの表やデータを指します。「神」には「紙」がかけられており、表計算ソフトで文書作成を行うことの侮蔑の意味もあります。
わかりやすい例としては、列やセルの結合の多用、文字スペースを空ける、セル値について半角と全角をまぜこぜにするなどがあげられます。
<ネ申の例・データの形>
<利用しやすいデータの形>
三重大学の奥村晴彦教授による2013年の論文『「ネ申Excel」問題』が分かりやすく有名です。http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/SSS2013.pdf
Windows95発売から20年超、やっとここまで辿り着く
こうした問題を2013年から指摘しているにもかかわらず、官公庁ではシステム予算の制約や前例主義がはびこり抜本的な改善がなされませんでした。オープンデータを進めるにあたり、データの形式の問題がようやく理解されつつあります。
要はデータを正規化することや扱いやすいデータの形をデータ提供者は考えることが大切で、具体的な解決策は、データと文書を切り分けるというだけのことなのですが、ここまで来るのに、日本はWindows95の発売から20年超かかっています。ITの後進性が浮き彫りになった形です。
丸投げ公務員に基本情報処理の資格取得義務を提案する
日本が圧倒的にIT分野で後れを取っているのは、官公庁を中心とした政策立案機関や財閥など大企業で勤務する労働者のIT(とくに情報処理)に関する再教育が殆どなされていないからなのだと思います。経験則ですが、官公庁や大企業の労働者は、知的労働を期待されているにもかかわらず、外部に丸投げするばかりで、データベースや情報処理についてほとんど知識を持たない方が大多数なのではないでしょうか。許認可権を持っていたり、意思決定をする機関が非効率だと社会システム全体が非効率的に陥ります。これからのキャリア官僚などは採用時点、あるいは今いる50歳位までの公務員に対し基本情報処理の資格取得を義務付けるなどの政治的荒療治が必要だと思います。だって小学生からプログラミングを教えようと政府は考えているんでしょう?
気づいた人は身の回りから神エクセル(ネ申エクセル)を追放しよう
Windows95が登場したころに学生だった方(40歳辺り)が分岐点なのですが、ガラケーからスマートフォンへの移行もここらあたりが境になります。それでもせめて、政策立案者はHTMLやデータベースを多少なりとも扱えるようにしないと日本の将来は暗いものにならざるを得ません。意識高い系の方々は、まずは身の回りから神エクセル(ネ申エクセル)の問題を取り上げ、解決してみてはいかがでしょうか。