Google Earth Engine の概要

Earth Engine Explorer(EE Explorer)は地理空間画像の軽量版データビューアで、Earth Engine データカタログに表示される、地球と地域の大規模なデータセットにアクセスできます。地球のあらゆる場所についてズームとパンができる機能、視覚化設定の調整機能、そしてレイヤデータを使って、データをすばやく表示して経時変化を調べることができます。

このチュートリアルでは、EE Explorer アプリケーションの使い方について、次のような項目を解説します。

  • データカタログでデータを見つける方法
  • ワークスペースへのデータの追加
  • インターフェース機能の説明
  • データの視覚化をカスタマイズする方法

このチュートリアルの目的は、皆さんが EE Explorer を活用できるようにすること、新しいデータを発見、閲覧するきっかけになること、そして地球の現状と進行中の変化に関する疑問に答えるために、Earth Engine プラットフォームの充実したツールを用いて調査を拡大する方法がないか探るための出発点となることです。

チュートリアルの内容

Earth Engine Explorer

こちらのリンク(https://explorer.earthengine.google.com)から、EE Explorer アプリケーションにアクセスしてください。EE Explorer には、データカタログとワークスペースのコンポーネントが統合されています。ワークスペースはデータを表示するための場所、データカタログはワークスペースに表示するデータを見つけてインポートするための場所です。この両方のコンポーネントに共通する要素として、データカタログとワークスペースを切り替える一組のボタンと、キーワードや地域名でデータセットと場所を探せる検索バーがあります。上記のリンクをたどると、以下の画像のようなワークスペースが表示されます。このレッスンでは主に、このワークスペースについて取り上げます。しかし、ワークスペースを使うにはデータが必要になりますので、まずデータカタログについて見ていきましょう。

Earth Engine Explorer


データカタログ

データカタログには、Earth Engine で表示や分析ができるデータセットの一覧が表示されます。この中の一部のデータを EE Explorer で表示できます。

  • EE Explorer アプリの右上にある [Data Catalog](データカタログ)ボタンをクリックします。

データカタログのページには、[Popular Tags](人気のタグ)リストがあり、そうしたタグが付けられたデータセットへのリンクが設定されています。その下には、さまざまなデータタイプと複数日モザイクのリストがあり、それらに関する簡単な説明、直接アクセスできるリンク、利用可能なデータセットの一部などが表示されます。他のデータセットにアクセスするには、ページ上部の検索バーを使用します。

  • 人気のタグをいくつかクリックして、どのようなデータセットがあるか見てみましょう。
    • たとえば、toa をクリックすると、「top-of-atmosphere reflectance」(大気上部の反射率)を表すデータセットのリストが表示されます。
    • usgs をクリックすると、USGS からのデータセットのリストが表示されます。これには、Landsat と MODIS からのデータセット、およびそれらに基づく地図が含まれます。
  • データカタログのページで 32-day タグをクリックすると、32 日間モザイクのすべてが表示されます。
  • Landsat 8 Collection 1 Tier 1 32-Day NDWI Composite を選択し、その詳細ページ(下記参照)を開きます。

Landsat 8 Collection 1 Tier 1

このページには選択したデータセットの詳細情報が表示されます。たとえば、そのデータセットの名前、簡単な説明、サンプル画像、その他の情報(対象期間、提供者名、そのデータセットに付けられているタグなど)が表示されます。[Open in workspace](ワークスペースで開く)という青いボタンを使うと、そのデータセットを現在のワークスペースに追加できます(詳しくは後述)。

ブラウザの戻るボタンを 2 回クリックするか、右上の [Data Catalog](データカタログ)ボタンをクリックすると、データカタログのページに戻ります。


ワークスペース

ワークスペースは、EE Explorer のデータセットを管理、視覚化するための場所です。

  • EE Explorer の各ページの右上にある [Workspace](ワークスペース)ボタンをクリックします。

ワークスペース

ワークスペースのページには、右側に地図、左側にデータレイヤのリストのためのスペースがあります。ワークスペースにデータセットを追加するまでは、上図のとおり、データリストは空で、地図には Google マップの地形レイヤが表示されます。念のため、Google マップの基本的な使い方について、次のポイントを押さえておきましょう。

  • パン:
    • 右または左クリックを押したままドラッグします。
  • ズーム:
    • ボタン: [+] や [-] ボタンを使ってズームイン、ズームアウトします。
    • ポインタ: 左ダブルクリックでズームイン、右ダブルクリックでズームアウトします。
    • マウスホイール: マウスホイールのスクロールでズームイン、ズームアウトします。前方スクロールと後方スクロールのアクションは、ご利用のパソコンのマウス設定によって決まります。
    • タッチスクリーン、トラックパッド: 同時にタッチした 2 本の指を広げることでズームイン、閉じることでズームアウトします。

    地図の表示方法を変更するには、地図の右上にあるボタンを使って [地図] か [航空写真] のいずれかに切り替えます。[地図] 表示を選択すると、そのボタンの下に [地形] チェックボックスが表示され、道路地図表示ではなく地形表示を使うかどうかを選択できます。[航空写真] を選択すると、そのボタンの下に [ラベル] チェックボックスが表示され、ラベル(国境、国名、都市名、水域など)を表示するかどうかを指定できます。

    では、ワークスペースでデータをいくつか見てみましょう。


データレイヤの管理

データレイヤの追加

  • [Data Catalog](データカタログ)ボタンをクリックし、データカタログのページに戻ります。
  • 検索バーで、「MCD43A4.006 MODIS Nadir BRDF-Adjusted Reflectance」を検索します。
  • 検索結果をクリックして詳細を表示します。これは、16 日間で最も品質の高いピクセルの MODIS 反射率モザイクです。
  • そのデータセットの詳細ページで、[Open in workspace](ワークスペースで開く)の青いボタンをクリックします。これによりワークスペースが表示され、指定したデータセットがレイヤとして表示されます。
  • あるいは、データカタログでデータセット名の横にある [open in workspace](ワークスペースで開く)リンクをクリックして、詳細ページを経由せずに直接ワークスペースでレイヤを開くこともできます。

MODIS

データを追加すると、そのデータセットが Google マップのベースレイヤの上に重ねて表示され、そのデータセット名がデータリストに追加されます。また、そのレイヤの視覚化設定ダイアログが開き、データセット名の右側に表示されます。

  • ここで、レイヤ設定ダイアログを閉じます。また後で開きます。
  • 地図をパンしたりズームしたりして、使い方に慣れましょう。
  • ご希望の場所を選んで最大限にズームインし、そのデータセットの最大解像度を確認します。このサンプルで使用している MODIS データの解像度はそれほど高くありません(一辺の各ピクセルが 500 メートルです。なお、この MODIS データでは正弦曲線図法が使われているため、地理的キャンバスに表示される際には平行四辺形のピクセルになります)。
  • 関心がある地域の中央の地域スケール(できれば土地被覆に多様性があるスケール)にビューフレームを設定します。このチュートリアルでは、アメリカ合衆国のサンプルが表示されます。

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レイヤの表示と非表示

  • データレイヤ名の右にある表示ボタン(目のアイコン)をクリックし、データレイヤを非表示にします。Google マップに地形ビューが現れます。
  • 表示ボタン(目のアイコン)をもう一度クリックし、地図にデータレイヤを再び表示させます。

Toggle Visibility

なお、データセットの中には、特定のズームレベルでしか表示されないものもあります。たとえば、Landsat 8 のデータセットで地球全体が表示されるまでズームアウトすると、そのデータセットは地図に表示されませんが、データが破損しているわけではありません。この場合、地図の上部に黄色のバーが現れ、データを表示するにはズームインするよう指示されます。また、品質マスキングと欠測の結果、一部のデータセットには欠落データが含まれています。これらのデータを表すピクセルは透明度が 100% に設定されるため、その部分には下層の Google マップ ベースレイヤが表示されます。

データレイヤの日付の調整

追加されたレイヤは、通常デフォルトで時間的に最も新しいものが表示されます。どの日付のレイヤを表示するかは、視覚化設定ダイアログで調整できます。

  • データリストで MCD43A4 のレイヤ名をクリックすると、以下のようにレイヤ設定が表示されます。
  • 表示するデータの日付を変更するには、時間スライダをドラッグするか、日付セルをクリックします。これらの操作を行うと、地図が自動的に更新されます。
  • さらに過去にさかのぼる場合や、特定の期間を選択する場合は、時間スライダの下にある [Jump to date](日付にジャンプ)をクリックし、表示されるカレンダーで日付を指定します。別の季節の日付を選び、地図の劇的な変化を見てみましょう。

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  • 表示したい期間を選択したら、[Save](保存)ボタンをクリックしてレイヤ設定を保存します。前の設定に戻す場合は、[Cancel](キャンセル)ボタンをクリックします。レイヤ設定を保存せずに閉じると、そのレイヤの表示プロパティが前の状態に戻ります。

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複数レイヤの追加

データセットをさらに追加すると、複数のデータレイヤを地図に同時に表示できます。 他のデータセットを追加するには、データカタログ ページに戻り、別のデータセットを選択します。データカタログ ページにアクセスするには、次の 3 つの方法があります。

  1. 右上のボタンバーで [Data Catalog](データカタログ)ボタンをクリックします。
  2. データレイヤ リストの右上にある [+] ボタンをクリックします。
  3. データレイヤ リストの一番下にある [Add data](データを追加)リンクをクリックします。

データカタログ ページにアクセスする際に、検索バーは使わないでください。EE Explorer では利用できない(Earth Engine でのみ利用できる)検索結果が数多く表示されてしまいます。データ名の横に [open in workspace](ワークスペースで開く)リンクがあるか、詳細ページに [Open in workspace](ワークスペースで開く)ボタンがあるデータセットについては、そのリンクやボタンをクリックすると、追加のレイヤをワークスペースのデータリストに追加できます。新しいデータレイヤは、データリストでも地図でも、現在のデータレイヤの上に表示されます。レイヤの順番の変更方法については、後述します。

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データセットの複製

同じデータセットを 2 回追加して、ワークスペースに 2 つの別のレイヤとして表示することもできます。これは、同じデータセットを異なる期間で切り取り、経時変化を確認したい場合などに便利です。詳しくは、後述の「経時変化の視覚化」セクションをご覧ください。

Reordering layers

地図上に複数のデータセットを表示している場合、データリストの一番上のデータセットが他のデータセットの上に重ねて描画されます。この順序を変更するには、データリスト内でデータセット名の左にあるレイヤハンドルを左クリックし、そのままドラッグします。下記のサンプル画像では、SRTM Digital Elevation Data Version 4 データセットが追加されています。新しいレイヤを追加して、レイヤの順序を変更したり、レイヤを表示するかどうかを表示アイコンで切り替えたりして、表示されるレイヤを変更してみましょう。

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レイヤの削除

  • データリストのデータレイヤ名をクリックして、レイヤ設定ダイアログを表示します。
  • ゴミ箱ボタンをクリックすると、そのレイヤがデータリストと地図から削除されます。

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基本がわかったところで、次は EE Explorer のワークスペースでできる高度な作業を見ていきましょう。以下のセクションでは、レイヤの視覚化パラメータの調整と経時変化の視覚化について説明します。


視覚化パラメータの設定

レイヤ設定ダイアログに、[Visualization](視覚化)プルダウンが表示されます。各データセットには別々のデフォルト値がありますが、それらを修正するとデータセットを視覚化する方法を変更できます。

  • MCD43A4 のレイヤ設定ダイアログを開きます。
  • 視覚化パラメータが展開されていない場合は、そのセクション タイトルをクリックして展開します。

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データ帯域の表示

データは、単一帯域のグレースケール、単一帯域の疑似カラー、3 帯域の RGB のいずれでも表示できます。

  • 単一帯域表示は、標高や植生指標(NDVI など)、降水量といった、単一の連続的変数を表示するのに便利です。
  • 3 帯域表示は、選ばれた 3 つの帯域それぞれが赤(R)、緑(G)、青(B)のグラデーションに割り当てられた画像データを見る場合に便利です。RGB 空間の帯域をミックスすることで、最終的な表示カラーになります。ナチュラル カラーと疑似カラーでの視覚化は、こうした方法で行われます。

単一帯域グレースケール

データの中には単一帯域しかないものがあり、そうしたデータはデフォルトで単一帯域表示になります。複数帯域データはデフォルトで 3 帯域表示になりますが、グレースケールとして単一帯域で表示することもできます。なお、単一帯域データを 3 帯域 RGB 表示にすることもできますが、地図の見た目は変わりません。実際に単一帯域を視覚化してみるため標高レイヤを使用して、複数帯域の MCD43A4 天底反射データを単一帯域で見てみましょう。

  • 前述のいずれかの方法を使ってデータカタログにアクセスし、SRTM Digital Elevation Data Version 4 データセットを検索し、ワークスペースに追加します。すると、このデータがデータリストと地図の一番上に表示されます。表示されているのは、黒(低い標高)から白(高い標高)へのカラー グラデーションで表された標高です。
  • レイヤ設定を開きます(まだ開いていない場合)。単一帯域(グレースケール)のラジオボタンがデフォルトでオンになっており、このデータセットでは帯域が 1 つしかないことを示しています。帯域選択プルダウンをクリックして、値を確認します。

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  • レイヤ設定ダイアログを閉じてから、MCD43A4 天底反射データをデータリストの最上部に移動します。あるいは、そのデータが地図に表示されるようにレイヤの表示設定を切り替えます。
  • そのデータ名をクリックし、レイヤ設定を表示します。このデータセットはデフォルトで 3 帯域 RGB として表示されます。これは、このデータセットが複数帯域のラスターであることを示すものです。しかし、単一帯域(グレースケール)ラジオボタンをオンに切り替えれば、単一帯域をグレースケールとして表示することもできます。
  • 単一帯域(グレースケール)ラジオボタンをオンに切り替えます。
  • 帯域選択プルダウンをクリックし、グレースケールとして表示する別の帯域を 1 つ選びます。
  • 新しい帯域を選択したら [Save](保存)ボタンをクリックします。すると、地図の表示がカラーからグレースケールに変わります。選択した帯域が、黒(低反射率)から白(高反射率)へのカラー グラデーションとして表示されています。

なお、[Apply](適用)ボタンをクリックすると変化をプレビューできます。つまり、レイヤ設定ダイアログを開いたまま、すぐに調整できる状態で、変更内容が地図に反映された場合の変化を確認できます。

3 帯域(ナチュラル カラー)

再び MCD43A4 のデータを使って 3 帯域表示を理解しましょう。また、さまざまな帯域への色の割り当てを変えてみましょう。

  • MCD43A4 のレイヤがリストの最初のデータセットであること、表示がオンになっていることを確認します。
  • データ名をクリックしてレイヤ設定を表示し、[3 Bands (RGB)](3 帯域(RGB))ラジオボタンが有効になっていることを確認します。
  • 赤、緑、青の帯域選択プルダウンをクリックすると、それぞれの色に帯域名が割り当てられているのを確認できます。

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  • 天底反射帯の 1、4、3 がそれぞれ、赤、緑、青に割り当てられていることを確認し、[Save](保存)ボタンをクリックします。地図表示には、人間が世界を自然に解釈できる色で土地被覆が表示されます。

このレイヤのデータ詳細ページを開くと、これらの 3 帯域が特定の波長域の反射率に関連付けられているのがわかります。この場合、帯域 1 はその電磁スペクトルの青の範囲、帯域 4 は緑の範囲、帯域 3 は赤の範囲の反射強度を表します。赤、緑、青の反射帯を赤、緑、青の表示カラーと組み合わせると、人間の目に映る地球の風景に極めて近いナチュラル カラーの画像になります。

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3 帯域(疑似カラー)

ナチュラル カラーは慣れ親しんでいるという点でよいのですが、人の目で見える範囲にない反射帯を RGB カラーに割り当てることにより、まったく新しい方法で地形を「見る」ことが可能になります。この種のデータ表現は疑似カラー合成と呼ばれ、多くの場合は電磁波スペクトルの可視領域、近赤外線(NIR)領域、短波(SWIR)領域からの表示を含みます。疑似カラー表示では、地形アイテムタイプの内側や間のコントラストを強調し、画像解釈の一部の側面を改善できます。これを実際にやってみるため、「標準」の疑似カラー合成を視覚化しましょう。この疑似カラー合成では、赤、緑、青を表示する際に、それぞれに近赤外線、赤、緑の反射帯が割り当てられます。

  • MCD43A4 データのレイヤ設定ダイアログを開きます。
  • [3 Bands (RGB)](3 帯域(RGB))のラジオボタンをオンにします。
  • 赤、緑、青の帯域選択プルダウンをそれぞれ、天底反射帯 2、1、4 に設定します。
  • [Save](保存)ボタンをクリックして、変更内容を地図のレイヤ表示に適用し、レイヤ設定を閉じます。植物の色が緑から赤に劇的に変わるのが確認できるはずです。

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コントラスト、明るさ、不透明度

データ範囲

画像のコントラストと明るさは、範囲(最小値と最大値)パラメータとガンマ パラメータを使って調整できます。データの視覚化では、表示される帯域ごとに値の範囲を 0~255 の間に縮尺する必要があります。範囲パラメータでは、表示する値の範囲を調整できます。規定の最小値は 0、最大値は 255 になり、その範囲内のすべてのデータ値は直線的に縮尺されます。最小値と最大値の範囲を超えるデータは、指定された範囲よりも値が小さいか大きいかに応じて、0 か 255 のいずれかに設定されます。では、植生地域のコントラストを強くして、植物で覆われた地域のわずかな色の違いが、もっとはっきり区別できるようにしてみましょう。

  • 前のセクションで適用した「標準」の疑似カラー表示を使用した状態で、アメリカ合衆国の東部に移動します。
  • レイヤ設定を開き、範囲パラメータを最小: 2,000、最大: 5,500 に設定します。
  • [Save](保存)ボタンをクリックして、新しい設定を適用します。

これで、赤の地域の彩度が低下して、コントラストがはっきりしたはずです。表示されるデータの範囲を狭め、赤の高反射率と近赤外線の低反射率の間の差異を強調した結果です。

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ガンマ

ガンマは、ある値とそれを表すために使われる輝度との関係を表します。大ざっぱに言えば、ガンマ値を増やすと視覚化範囲の中央にある値の明度が増し、画像の明るさとコントラストを調整できます。

  • 上記のとおりデータ範囲を調整した状態で、再びレイヤ設定を開き、ガンマに 0.75 などの低い値を設定してみましょう。
  • 変更内容を適用すると、コントラストがさらに強くなったことがわかるでしょう。

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不透明度

不透明度は透明度を欠いた状態の程度を表し、0~1 の尺度(0 は透明な状態、1 は不透明な状態)で表されます。これは、一番上のデータレイヤの視認性をある程度保ちながら、下層のレイヤの情報も表示する場合に便利な設定です。以下のサンプルでは不透明度が 0.6 に設定されており、下層にある Google マップの地形レイヤがかすかに見えます。このデータビューでは、画像の特定の期間(このケースでは 5 月 23 日)に特に優れた植生対応があった州を見極めることができます。

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なお、データの範囲、ガンマ、不透明度の設定は、3 帯域表示と単一帯域表示の両方に適用されます。

パレット

パレットでは、単一帯域(グレースケール)表示になるデータセット内の値の範囲に、色を割り当てることができます。パレットは、16 進数の一連のカラー値です。2 つの値を指定すると、データセットに定義された最小値と最大値の色が明示的に設定され、その範囲内のすべての値がカラー グラデーションの線形補間にマッピングされます。たとえば SRTM デジタル標高モデルは、デフォルトではグレーの階調で表示されますが、これを緑の階調で表示することもできます。その場合、標高が最も低いピクセルは黒、最も高いピクセルは緑になります(「最も低い」と「最も高い」は、範囲パラメータで定義されます)。

  • データリストに SRTM データセットを含め、一番上に置きます。
  • レイヤ設定を開き、[Palette](パレット)ラジオボタンをオンに切り替えます。
  • [+] ボタンか編集(鉛筆)アイコンを使って、選択された帯域のデータの最小値と最大値を表す黒と緑の色(000000、32cd32)を選択または入力します。
  • [Apply](適用)ボタンをクリックしたうえで、ご希望の対象地域が範囲に含まれるまで、範囲の最小値と最大値を調整します。

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パレットには新しい色を追加できます。次のパレットを使って、SRTM の標高データを視覚化してみましょう。

000004, 2c105c, 711f81, b63679, ee605e, fdae78, fcfdbf, fdffe5

  • 上記のパレット カラーリストをコピーして、パレット エディタ(鉛筆アイコン)の中に貼り付けます。
  • 変更内容を適用したうえで、ご希望の対象地域が範囲に含まれるまで、範囲の最小値と最大値を調整します。

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経時変化の視覚化

EE Explorer でできる興味深い作業のひとつは、経時変化の視覚化です。これを行うには、同じデータセットを別々の 2 つのレイヤとしてワークスペースに追加し、異なる期間を表示するように設定します。以下の例では、ネバダ州ラスベガスの急速な都市開発の経時変化を視覚化する方法をご紹介します。

  • ワークスペースに移動し、検索バーで「Las Vegas, NV」と検索し、表示された結果をズームします。
  • データリストから、すべてのレイヤを削除(または非表示に)します。
  • Landsat 5 TM Collection 1 Tier 1 32-Day TOA Reflectance Composite データセットをワークスペースに追加します。
  • 2 つ目の同一レイヤとして、同じデータセットをもう一度追加します。
  • レイヤ設定を使って、上層レイヤの期間を 2011 年 8 月 13 日~2011 年 9 月 14 日、下層レイヤの期間を 1986 年 8 月 13 日~1986 年 9 月 14 日に設定します。
  • 上層レイヤの表示アイコンでオンとオフを切り替えると、ラスベガスの 26 年間の経時変化で発展の様子を見ることができます。

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上の 2 つの画像を見比べてみると、2011 年の画像では 1986 年の画像よりも都市部の地域がはるかに広くなっています。なお、この例では Landsat 5 の疑似カラー表現の表示として、帯域 5、4、2 がそれぞれ赤、緑、青に設定してあります。この表現により、植生地域と不毛な砂漠地帯とのコントラストが強調されています。

次の画像は、日次比較に応用できる実用的な例です。この画像には EE Explorer で撮影された 2 つのスクリーン クリップが 1 つにまとめられ、Landsat で記録された土地被覆の変化に関する情報が付加されています。この例では、カナダのブリティッシュ コロンビア州エルクフォード近郊における露天掘り炭鉱と森林皆伐について、1984 年から 2011 年までの間に範囲が広がっていく様子が示されています。

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注意点

次に示すのは、場合によってわかりにくく感じられる EE Explorer の動作と特徴、そして注意が必要なデータセットのリストです。

  • Landsat 画像は地球規模では表示できません。ある程度までズームインする必要があります。Landsat 画像が地図に表示されない場合は、ズームインが必要と知らせる黄色いバーがページ上部に表示されていないかご確認ください。
  • 各データセットは、特定の期間にわたって稼働している(または稼働していた)通信衛星から送られています。たとえば、Landsat 5 は 2011 年 11 月にデータ送信を停止し、Landsat 8 は 2013 年 6 月にデータ送信を開始しました。
  • さまざまな通信衛星が異なる周波数を使って、地球上の同じスポットを調べています。MODIS の画像では地球のほぼ全体が毎日カバーされています。Landsat は同じスポットだけを 16 日おきに調べています。また、地球上には一部の通信衛星のデータがない場所もあります。たとえば Landsat 5 のデータは、収集作業と搭載ストレージの制限により、多くの場所で欠落しています。
  • 欠落しているデータは、透明なデータとして表示されるため、下層の Google マップ ベースレイヤが透けて見えます。
  • 場所によっては常に曇っており、鮮明な画像がないことがあります。データセットによっては、こうした地域を欠落データがあるものとして表示します。
  • Landsat 7 では 2003 年 5 月 31 日に画像システムの一部に障害が発生し、それ以降は Landsat 7 が撮影するすべての画像に欠落データの長い縞模様が表示されます(下図を参照)。こうした事態は、32-day composite(32 日間合成)データセットを使うことで回避できます。このデータセットでは、撮影時間が異なる複数の画像を組み合わせ、欠落している部分を埋めることができます。

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次のステップ

Google Earth Engine は、土地被覆の分類、データセットのダウンロード、独自の分析アルゴリズムを構築する機能など、より高度な機能を備えています。これらの高度な機能をご利用いただくには、earthengine.google.com/signup からお申し込みください。


フィードバック

機能やユーザー インターフェースについてのご意見がありましたら、ぜひお寄せください。いただいたご意見を参考に、Google Earth Engine の開発および改善に継続的に取り組んでまいります。フィードバックは、Earth Engine の各ページの右上にある [Send Feedback] を使ってお送りいただくと便利です。