水が涸れて底が見えた雲南省昆明市石林県高石哨の緑塘子ダム

中国の南西部では昨年の秋以来、史上まれに見る大干ばつに見舞われ、田畑にひび割れができ、井戸が干上がり、ダムの水が涸れてしまった。当面の干ばつ状況と対策について、国家洪水干ばつ防止総指揮部事務室の張志彤常務副主任は次のように述べた。

全国の干ばつ状況には次の四つの特徴がある。

①南西部の干ばつは非常に深刻だ。雲南、貴州、広西、四川、重慶の5省・自治区・直轄市の被災した農地は633万ヘクタールに達し、全国の農地の85%を占めている。そのうち、雲南省の被災した農地は全国の43％で321万ヘクタールに達した。

②干ばつによって、飲用水不足が際立っている。これまで、全国で干ばつによる飲用水不足の人口は2212万人に達し、この数年の同期の1.9倍となり、うち79%が南西部の5省・自治区・直轄市に集中している。それに、飲用水不足の人々は主に辺ぴな山岳地帯に住んでいるため、一部の人は数キロないし数十キロ離れる所へ水汲みに行かざるを得ず、水汲みのコストが1立方メートル当たり30～80元に上がっている。

③干ばつが続く期間が長びき、損失が深刻になっている。干ばつが5カ月近く続いてきた一部のところの状況は依然深刻化しつつある。干ばつが雲南省の農業にもたらした直接の経済損失は170億元を上回ると推定されている。

④中国の北部で干ばつの徴候も見えている。東北、華北、西北の一部地区では、飲用水不足も際立ってきて、甘粛省の東部、陝西省の大部分、山西省の南部、河南省の西北部などの冬小麦栽培区では、降水が平年同期より20～50%減ったため、被災した農地も出てきた。