緩やかな放物線を描いた打球が、左中間席に飛び込んだ。2-0で迎えた七回無死二、三塁。代打・高橋由が試合を決める3号3ランを放った。
「何とか1点をというつもりで、とにかく外野まで飛ばせればと思っていた。唯一ゆっくり走れるのがホームラン。(ダイヤモンドをまわるのは)一番良い時間でした」
外角高めに浮いた田島の失投を見逃さなかった。「一球で仕留めることを意識していた」と12日のロッテ戦(QVCマリン)以来の一発。40代選手の代打本塁打は巨人では1957年の南村侑広(ゆうこう)以来2人目。1950-57年まで活躍した外野手で52、53年にはベストナインにも輝いた先輩に、58年ぶりに光を当てた。
今季からコーチ兼任として二足のわらじをはく。リーグ戦再開前の17日には「言わないと(練習を)やるからさ」(原監督)と、休養の意味も込めてコーチ業に専念。打撃不振のアンダーソンにバットを出す角度などを助言した。