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【市況】新興市場見通し:物色の矛先は中小型株やIPO銘柄へ、ジェイテックC上場

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場は、日経平均が外部環境睨みで一進一退の展開となるなか、持ち直しの動きが続いた。マザーズ時価総額上位の一角では上値の重さを嫌気した売りも出たが、準主力級の銘柄が指数の上昇に寄与し、値動きの軽い小型材料株の物色も比較的活発だった。日経ジャスダック平均は他の指数に比べ特に堅調ぶりが目立った。今年最初のIPOも活況を見せた。なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.8%であったのに対して、マザーズ指数は+3.8%、日経ジャスダック平均は+4.1%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で2.3%高となる一方、サイバーダイン<7779>が同2.8%安、そーせいグループ<4565>が同3.0%安とマザーズ時価総額上位は高安まちまちだった。準主力級の銘柄ではサンバイオ<4592>が同7.5%高、じげん<3679>が同14.2%高となった。売買代金上位ではドリコム<3793>が合弁会社における新作ゲームの事前登録開始を受けて活況を見せ、フィル・カンパニー<3267>やHANATOUR JAPAN<6561>の上昇も目立った。また、オウチーノ<6084>やエスユーエス<6554>が週間のマザーズ上昇率上位に顔を出した。反面、ジーエヌアイグループ<2160>やディジタルメディアプロフェッショナル<3652>などは利益確定売りに押されたが、大きく売り込まれる銘柄は限定的だった。ジャスダック主力では、セリア<2782>が同4.2%安と軟調だったものの、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同1.7%高となるなど全般堅調だった。売買代金上位ではラクオリア創薬<4579>が強いリバウンドを見せ、日本一ソフトウェア<3851>やヴィスコ・テクノロジーズ<6698>も大きく買われた。また、ワンダーコーポレーション<3344>がRIZAPグループ<2928>との資本業務提携を受けて連日のストップ高となった。一方、ニチダイ<6467>やアエリア<3758>は利益確定売り優勢だった。2月23日にはMマート<4380>がマザーズへ新規上場したが、買い気配のまま初値が付かなかった。

今週の新興市場は、引き続きしっかりとした展開となりそうだ。株価変動率(ボラティリティー)の落ち着きなどから日経平均は緩やかな持ち直しが想定される。ただ、為替の円高推移が主力大型株の重しとなっており、値幅取り狙いの物色は中小型の材料株やテーマ株、IPO銘柄に向かいやすいだろう。特に比較的需給の良好なジャスダック銘柄が関心を集めているようだ。

先週は訪日外国人客数の堅調推移を受けてHANATOUR JAPANが大きく買われたほか、学校教育法改正案が閣議決定されたことを受けて、すららネット<3998>やチエル<3933>などのデジタル教科書関連銘柄が急伸する場面もあった。各種報道に目を配りながら関連銘柄の動向をマークしておきたい。なお、今週は2月26日にウチダエスコ<4699>、27日に東和フードサービス<3329>、28日にはてな<3930>などが決算発表を予定している。

IPO関連では、2月28日にジェイテックコーポレーション<3446>がマザーズへ新規上場する。公開規模がマザーズ上場案件としてはやや大きいが、ニッチなハイテク企業として投資家の関心は高く、こちらも強い初値形成が期待されるだろう。なお、先週はキュービーネットHD<6571>(3月23日、東証1部または2部)など7社の新規上場が発表されている。現時点で3月のIPO件数は計14社となった。

《SK》

 提供:フィスコ

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