神保町のス・ス・メ
古本の町、東京神田の神保町。
駿河台下の交差点から神保町の交差点付近まで、500メートルちょいの間に十数軒ほどの古本屋が密集しています。
地下鉄神保町駅の付近を中心にした古本屋の数は、ネット販売のものも含めると百軒ほどはあるとか…。
出版社も多いです。集英社のような大手から、本当に零細な企業まで様々。
靖国通りとすずらん通り商店街の間の狭い路地のあたり、ここには古い喫茶店のさぼうるやラドリオがあります。もちろん最近オープンしたばかりのシャレオツカフェも。
神保町はグルメな町としても知られており、カレー店激戦区であるほか、中華料理家の老舗も存在します。最近はラーメン屋も進出しています。
そんな神保町をどう攻めるか。
神田の駅から須田町で蕎麦を食ってから小川町でスポーツ用品店をひやかしつつくるのもよし。
東京駅から丸の内のビル群を抜け、神田川を渡り錦町経由で北上してくるのも散歩が楽しい。
飯田橋で降り靖国参拝したあとで、九段の坂を降りるという西からの攻めもあり。
秋葉原でレトロなゲームや薄い本を探し、神田明神に詣で、湯島聖堂の風情に感じ入り、聖橋を超えてニコライ堂まで参拝する節操のなさを見せつけた上でくるのもまた味なもの。
しかし私は情弱者。
神保町のお隣、スポーツ用品店街のある小川町で下車。
トンネルから外に出ると、いい天気!
食で冒険する気のない私はすぐに吉野家を見つけ早めの昼飯をば。
登山もやる私はたまに本件ではない用事でこの辺でお買い物。
石井スポーツが一番いいかなぁ。
でもそっちではポイントカードを作りたくないので、やっぱり好日山荘に行くことになるのか…。
靖国通りを西へ、西へ。
横断歩道を渡り、気の向くままに対岸へシフト。
目の前に見えてきたのは、かの三省堂本店の仮店舗。
旧店舗ではよくトイレを借りに、お世話になっておりました。
今は亡き本店跡地は駿河台下の交差点にあります。今は地ならし中。
最初の古本屋が見えてまいりました。
激渋美術本専門店、源喜堂(げんきどう)です。
かつては私もよく通ったもの。ただ一年前に旧店長が追い出され、新しい店長とはあまりソリが合わず。
旧店長は神保町の端っこにヴォルスブックという古本屋をオープン。
そっちは写真建築系にシフトしているようで、ちょっと毛並みが違う。
源喜堂はというと、洋書・建築・陶芸・寺社仏閣・写真・日本絵画、あとはマニアックなクラシックカーや山の写真集なども置いてあり〼。
古書部もけっこう有名でたまにメディア出演します。骨董はちょっとわからぬので。
思いもかけぬ出会いが欲しければこのお店で。
私の出没率も後に出てくる悠久堂並みに高め。
源喜堂から西へ数百メートル。
丸亀製麺ですな。ここは丸亀でも二つ星という数店舗しかない、すごい職人が在中するお店らしいのです。
今日は新商品の発売があったのか、いつもの二倍の行列でした。
ここでゆっくり食べたければ、11時ごろ行くのがオススメかな。
駿河台下の交差点です。
北に行けば、お茶の水の楽器屋街と日大・明治大があります。
いつもにぎやーかな交差点でございます。ここを渡ると神保町。いよいよ古本屋街が始まります。
交差点そばにあるのが、建築本専門店、南洋堂。
私は茶室の本を探しにたまにきます。
ただ2階が吹き抜けで、高所恐怖症なので足がすくみます。
もうちょい南に行くと、あります、和菓子司のささま。
私は一応常連で、いつも母の命令で生菓子や最中、半生菓子を買い求めます。
元々はパン屋さんだったというささまさん。今では最中の美味さが知れ渡り、一見さんも訪れます。
ただ、最も大きな顧客はこの辺の大企業のサラリーマン。贈答用に大口注文します。
極渋店内。
あまりに渋いのでちょっと入りにくいですが、勇気を出して!
最中ひとつでも喜んで受けてくれますよ。
店内には掛け軸や季節の花も飾っており、お茶の心を感じます。
ささまのちょっと先の路地を入ると、ここもランクの高い店舗、二郎の神保町店があります。私は食べれません、こんなコユイの…。
ちょっと陰なお兄様たちがいつも50人ほど並んでおりますが、今日は休日。
代わりにこっちは「大」オススメ。
すずらん通りにある、老舗天ぷら屋のはちまきです。
お値段はとってもリーズナブル。1000円でボリュームたっぷりでおいしい天丼が食べられますよ。しかもお味噌汁つき。
たくさん食べられるので学生さんも多く並びます。
こんなに贅沢でいいの?というくらいてんぷらがのっていました!
12時ごろに行くとだいたい15人ほどいつも並んでいます。
休日にはご注意を。
この数件先には老舗文房具店の文房堂があります。こわーくて大きな猫ちゃんに丸呑みされる体験の味わえる入口は要チェック。
はちまきのお向かいにはボヘミアンズギルド、夏目書店があります。
ここもアート専門。どちらかというとやさぐれアートですな。この近くの小宮山書店と同類。
掘り出し物はまあまあ、あります。店員のお兄さんもヤサグレているので注意してね。
すずらん通りから狭い路地を抜け、再び靖国通りへ。
その間には喫茶店通りの細道が。ラドリオの看板もありますな。
靖国通りにでました。ちょっとマニアな本屋もご紹介。
東陽堂さんです。京都で言う、其中堂さんみたいな仏教専門古本屋。
私もたまに冷やかします。ちょっと道元さんの面白い本がないか見に。
古本屋ストリートはこんな感じ。
最近は薬局やよく分からない本屋、ラーメン屋の進出が目立ちます。
ここで一枚パシャリは定番です。
展覧会図録の壁ができる古本屋、悠久堂です。
元々は登山や書、料理関係の古本屋でした。今もその名残はあります。
神保町で図録探しはここ。悠久堂になかったらリアルでの古本を手に取る機会は諦めた方が良さそう。まあ、ネットならいくらでもお安く手に入りますが。
お値段設定はちょい高めなので注意を。相場は必ずネットでチェック。
レア本もちょくちょく入荷します。
図録コーナーの店員のお爺さんは頑固者、ちょっと曲者です(私のことはもう覚えてもらってる笑)。
悠久堂のお隣の一心堂。ここも図録メインです。
悠久堂と比べるとだいぶやる気がなさそうですが、相場はこっちの方が安いです。
レア本はほぼないです。が、稀にとんでもないものが置いてあります。
神保町を代表する何でも屋的なカジュアル古本屋、澤口書店です。奥の巌松堂も同じ書店になっています。
文庫本なら安く買えますが、図録には手を出さないほうが良さそう。
神保町が初めての方にはオススメですが、好みのジャンルがある方にはあまり好ましくないお店かも。
神保町の「主」、一誠堂書店さんが見えてきました。
昭和初期風の建物が今も残り、一階には専門書、二階には洋書が並びます。
大学や図書館との取引が多いそう。
私はけっこう好きな類のお店。たまに二階で洋書を購入します。
探し物がある方にはありがたい書店ですよ。
ここは外税なので注意。一月下旬には二割引きセールがあるので、それを待ってもいいかも。
神保町の交差点までやってきました。
北に行けば水道橋、南は皇居です。
ここで古本屋街は終わり、かと思いきやその西側にも続いています。
ただなぜか水曜日が休みのお店が多い…。
図録の置いてある店も少ないです。
易学と浮世絵の原書房です。
占いのほうはちんぷんかんぷん(最近少し星座を信じるようになった笑)ですが、二階の浮世絵屋さんはたまに行きます。
とても親切かつ良心的なお店です。キュレーターっぽいお姉さんが色々世話を焼いてくれます。浮世絵を知らなくても色々教えてくれますので。
ここに置いてあるものは本物がほとんどでして、安いものは国周の明治期の浮世絵が一万ほどで買えます。
高いものは初代広重や芳年の作品で数百万します。たまに人気の吉田博も入荷します。こちらは五十万前後が相場。
ライバル店の山田書店は少しリッチ層狙い。神保町交差点のすぐ北東にありますので、良かったらそちらものぞかれては。
文庫本に強い中川書房です。
狭い店ですが、文庫本の壁ができてます。
価格が外税なのでご注意を。そのせいかけっこう不評なお店。
一応図録コーナーもありますがけっこう高いです。
私はたまにアート系文庫本を買います。
お馴染みの光景、矢口書店の「本の壁」。
観光地なので是非撮ってって。
矢口書店は入ったことはありませんが、たぶん音楽系の楽譜などを売っているのでしょう。
この先には日本特価書籍(と言う名前の本屋、たいして安くはないですが…)などもありますが、お休みだったので寄らず。
まあ、だいたいこんなものです、神保町は。
神保町駅の改札。
ではここでお別れしましょうか。
えっ、私の顔が不機嫌!?
うんうん、そうでしょうな。だって今日は一冊もレア本がなかったんですもの。とか言いつつレアじゃない本を2冊買いましたが笑。
神保町はガチャ。一度行っただけでスーパーレアに巡り会えるとは思いなさらずに。
ネットサイトの「日本の古本屋」、ヤフオク、メルカリら辺を調べてからお越しなさったほうがよいです。ヤフオクの相場をのっけたサイトもご参考に。
オススメの日にちは、まあ木金曜あたり。土曜はだいたいの本屋が開いていますが、まあ混んでいるので。くれぐれも日曜には訪れなさるな。見事にシャッター街ですから。
文房堂でちょっと画材を買って、はちまきで天丼食って、さぼうるでコーヒーってのも良いかも(喫茶店は観光客ばかりなので私はドトール派笑)。
負け戦、のち帰り道。
一群の大きな雲が。
こういうのを吉祥雲と言いましょう。
次回の神保町こそはスーパーレアを。
ガチャの神様、次回もよろしく。古本の神様、どうもありがとう!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?