ハイペリオンXP-1の開発には10年が費やされた。
Hyperion
- カリフォルニアに拠点を置く水素エネルギーのスタートアップ、ハイペリオン社が、ハイパーカー「XP-1」を発表した。
- この燃料電池車は、わずかに300台だけ製造される。
- 同社によれば、XP-1は2.2秒未満で時速60マイルに到達でき、航続距離は1000マイルを超える。
最新のハイパーカーが注目を集めている。マクラーレンのF1デザイナー、ゴードン・マレーが「T.50」を発表したのに続いて、カリフォルニアを拠点とする新興企業、ハイペリオン(Hyperion)が8月12日、ワイルドでエキゾチックな「XP-1」を発表した。しかし、このXP-1の特徴は、そのワイルドなルックスや衝撃的なスペックではない。水素を動力源としているという事実だ。
XP-1とT.50はともにハイパーカーだが、対極に位置している。T.50は、654馬力のコスワースV12エンジンを搭載、さらに、先祖返りという人がいるかもしれないが、テールに革新的なファンを搭載している。
XP-1は、SFドラマのヒーロー「バック・ロジャース(Buck Rogers)」とアルゼンチン出身でランボルギーニに在籍していたこともあるデザイナーのオラチオ・パガーニ(Horacio Pagani)の合作のように見える。重量はわずか2275ポンド(約1トン)で、「プロトン交換膜」で水素から電力を得る燃料電池パワーモジュールを搭載する。これはNASAクラスの技術によるもので、水素燃料電池はその軽量性のおかげで、長い間、宇宙での航海に電力を供給してきた。
ハイペリオンのCEO、アンジェロ・カファンタリス(Angelo Kafantaris)はBusiness Insiderに「核爆弾レベルのエネルギー」と語っている。
XP-1のスペックは、その美しさと同様に目を見張るものがある。2022年までにわずか300台の生産が予定されており、その価格はまだ公表されていないが、間違いなく分割払いが必要だろう。
それでは、ハイペリオン XP-1について詳しく見ていこう。
ハイペリオンXP-1は、技術的には電気自動車だ。燃料電池を使い、水素から電気を生成する。ハイペリオン社によれば、航続距離は1016マイル(約1635km)で、0〜60mph(96.5km/h)の加速は2.2秒未満、最高速度は221mph(約355km/h)だ
Hyperion XP-1
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出典:Hyperion
ヘレニズム期の彫刻「サモトラケのニケ」にインスパイアされたシザードアは派手だが、カーボン複合材、チタン、ケブラー、アルミニウムで作られたこの車の中では一番の見どころとは言えないかもしれない。ソーラーパネルさえ装備されている
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出典:Hyperion
足回りには、ピレリのP ZEROタイヤや、カーボンセラミックブレーキのようなおなじみの部品が使われている
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出典:Hyperion
ハイペリオン社によると、内装には98インチの巨大なスクリーンがインターフェイスとして搭載されている。134インチのガラスキャノピーもあり、調光も可能だという
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出典:Hyperion
水素は、燃料電池の前に炭素繊維の貯蔵システムに入る。燃料電池は蓄電池ではなくウルトラキャパシタ(電気二重層コンデンサ)と組み合わせてエネルギーを貯蔵する。パワートレインには電動モーター、全輪駆動、3速トランスミッションが搭載されている
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ハイペリオン社によると、XP-1の開発には10年の歳月を要したという。この車は、水素をベースとした代替エネルギーの提唱者となるという、同社のより大きな野望を示すものだ
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(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)