中国メディア・東方網は24日、「揚げ物なのにしつこくない、天ぷらは日本料理で最も偉大な発明かもしれない」とする記事を掲載した。

 記事は、さまざまな食材を薄くてサクサクで包んだ天ぷらは、世界で特に好まれる日本料理の一つであると紹介。
16世紀にポルトガルから長崎を通じて日本に伝えられたと言われ、当時は貴重な油を使った非常に高級な料理とされていたが、江戸時代に入って油の生産量が増加すると、徐々に大衆の日常生活に入り込むようになり、天ぷらの屋台が出るようになったとし、明治以降は職人が経営する天ぷらの料亭も出現し始めたとしている。

 また、同じ天ぷらでも関東と関西では作り方も味も異なるとし、関東では魚介類を天ぷらのタネとして好み、卵を入れて混ぜた小麦粉の衣でタネを包んでごま油の中に投入してこんがり揚げ、天つゆで食べると説明。一方で、関西一帯では野菜が主体となり、卵液を加えない衣をつけて挙げ、塩でいただくのがポピュラーだと伝えた。

 記事はそのうえで、天ぷらがおいしい理由について「高温の油で揚げることで水分が瞬時に蒸発し、食材本来の味がしっかり閉じ込められ、濃縮される」と解説。素材の味を引き立てるための衣づくりでも、使用する粉の選定、粉と水の割合などで職人の腕が試されるとした。さらに、使用する油によっても食感が大きく変わるため、職人たちは最高の油の組み合わせについて飽くなき研究を続けているのだと紹介した。


 そして、天ぷらが追い求めているのは「多くても少なくてもダメ、早くても遅くてダメという極致」であり、一見非常にシンプルに思える衣つけから油への投入、引き揚げ、油切りといった動作はいずれも歳月とともに積み重ねられてきた試行錯誤の結果であり、さまざまな要素が複雑に組み合わさったものなのだと評している。

 天ぷらに似た揚げ物料理は中国にもあるし、ましてや、韓国にはそのまま「テンプラ」と呼ばれる揚げ物がある。ただ、いずれも衣がフリッターのような食感になっている。また、同じ日本でも関東の天ぷらは薄衣を高温でさっと揚げて中の食材を蒸し揚げるような調理法だが、日本のおける天ぷらの元祖・長崎の天ぷらはやはりフリッターに近いという。最低限の衣でサクッと揚げる天ぷらは、もともと西洋料理だった揚げ物が純然たる和食へと進化した結果と言えるのかもしれない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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