FOOD

原宿のソウルフード「JD SERVICE」誕生──牛丼をコッペパンに挟んだ!?

原宿のど真ん中に、牛丼の肉にとろとろチーズをかけて、カリカリに揚げた紅生姜をトッピングした「チーズステーキドッグ」を提供するキッチンカーが現れた。さて、そのお味は?

「チーズステーキドッグ&レモネード」。牛丼の肉とカリカリに揚げた紅生姜を特製コッペパンに挟んでチーズソースをかけたチーズステーキドッグ。750円。オリジナルのレモネードも甘すぎず炭酸強めでグッド! 400円。

こくと旨みたっぷりの牛丼の肉にカリッと揚げた紅生姜の天ぷらをのせて、それを外はふんわり中はこんがりトーストされたコッペパンに挟む。たっぷりとろーりチーズソースをかけたら、「チーズステーキドッグ」、通称"牛丼ドッグ"のできあがりだ!

このなんとも絶妙な"和風ホットドッグ"を提供しているのは、2020年10月に原宿のキャットストリート近くに誕生したキッチンカー「JD SERVICE」。表参道ディオールの脇の道を渋谷方面に歩いていくと、シルバーのレトロなバンが見えてくる。大きな黄色の看板に赤い字で書きつけたメニューからして、一見、ホットドッグ屋のようだけれど、中から漂ってくるのは、あま〜い牛丼の香り。店長の横川さんに話を訊いた。

紅生姜の天ぷらはキッチンカーでひとつひとつ揚げる。

「もともとアメリカのフィラデルフィアにステーキ肉と溶けたチーズをロールパンに詰めた"チーズステーキサンドイッチ"というソウルフードがあって、それをヒントに原宿のうどん店『麺散(めんちらし)』と共同開発して、独自のアレンジを加えたんです。ステーキ肉のかわりに麺散の裏メニュー『牛丼のアタマ』の肉を使い、天ぷらにした紅生姜をのせました」

うどんのだし汁を使って煮込んだジューシーな牛肉が、パリパリの紅生姜の食感と相まって美味しい。それをはさむコッペパンにもこだわった。

チェダーをベースにしたオリジナル・チーズソースはトロトロで牛肉と抜群の相性だ。

「岩手県に『福田パン』という有名なコッペパン専門店があり、その分家の『吉田パン』が葛飾区亀有にもあるんですが、連日行列の超人気店なんです。ある日、開発途中のチーズステーキドッグをそこのコッペパンに挟んで食べてみたら、めちゃくちゃ美味くて、『これだ!』ってなりました。そこで同じくご近所さんのベーカリー『ザ リトル ベーカリー トーキョー』に話をもちかけて、同じような、いや、それ以上に美味しいコッペパンをお願いしました。それで完成したのがこのふわふわでもっちりとしたコッペパンです」

原宿の裏通りのクロスロードの角に現れたキッチンカー。なにかおもしろいものを作りたいというローカルの職人たちが集まってできたこの"牛丼ドッグ"には、そんなアツい想いがたくさんつまっている。原宿に新たなソウルフードの誕生だ。

一度にいろんな味と食感を楽しめるチーズステーキドッグは、750円。各種トッピング:100円~

JD SERVICE

住:東京都渋谷区神宮前5-12-1 マハール表参道
TEL: 080-7586-0702
営:11:00~18:00

Photos 湯浅 亨 Tohru Yuasa

Words 高田景太 Keita Takada@GQ