日清食品から珍商品続々…悪ノリ? 否、戦略に見事ハマってた

2021.2.26 17:15

「日清焼そばU.F.O. 白い濃い濃い濃厚ソース」(193円・税別)

(写真6枚)

大阪生まれの人気企業「日清食品」(大阪本社:大阪市淀川区)から、何やらおかしな新商品が続々と登場しており、SNSでは「また変なのが出てる」など話題に。「無駄に白い!」と書かれた「日清焼そばU.F.O. 白い濃い濃い濃厚ソース」と、麺の長さが約1mという「日清のどん兵衛 天ぷらそば いつもより長〜い長寿祈願そば」の2商品だ。

「U.F.O.〜」は見た目が白すぎるのに、味は通常の「U.F.O.」でそのギャップに困惑。「どん兵衛〜」は、「いやどんだけあるねん!」と思わずツッコんでしまうほど果てなく麺が長い・・・。どんな理由でこれを? 暴走中の「日清食品」の広報担当さんを問い詰めました。

■ ロングセラーに甘んじることなく、新しい驚きを

──さっそくですが、変な商品出していませんか?

どの商品のことでしょうか・・・?

──知らないとは言わせませんよ!「日清焼そばU.F.O. 白い濃い濃い濃厚ソース」「日清のどん兵衛 天ぷらそば いつもより長〜い長寿祈願そば」。2つとも明らかにおかしいじゃないですか! 悪ノリですね・・・?

いえいえ、どちらもいたって真面目に開発した商品です! 「U.F.O.〜」は100回も試作を重ねています。

液体ソースも真っ白!ちゃんと混ざってるのか不安になる・・・

──えええ!! 100回も! そもそもなんで白くしたんですか?

「日清焼そばU.F.O.」は1976年の発売以来、幅広い層の方からご愛顧いただいていて、カップ焼きそばカテゴリーでNo.1の売上を誇るロングセラーブランドなんです。

でもまだ「U.F.O.」を食べたことがない方に、最大の特長である「濃い濃い濃厚ソース」の味を体験してもらう方法はないかと常々考えていまして。そこで、同じソース味なのに通常とは色が違う商品があれば、驚きつつも「食べてみたい!」と思ってもらえるのでは? と考えたんです。

──ソースの美味しさを改めて実感してもらいたいと。

そうです。驚いてもらいたいのはもちろんですが、「U.F.O.のソースって濃くてうまい!」と思ってもらえるよう、見た目のギャップを維持しながら、U.F.O.ソースの味を再現することに、とことんこだわりました。こだわりすぎた結果、試作回数が100回を超えてしまいました。

──すごいこだわりですね・・・。

前例がないため、「ヒントなき道」でした・・・。でも、商品の完成度には自信がありますので、家族や友だちなどと通常の「U.F.O.」と食べ比べながら、ワイワイと盛り上がっていただけるとうれしいです! そうすれば、食べているうちに、「何でもかんでも白黒つけなくてもいいんじゃないかな」と悟りを開くことが出来るかもしれません。

「日清のどん兵衛 天ぷらそば いつもより長〜い長寿祈願そば」(193円・税別)

──なんと、悟りも開けるかもしれないとは・・・。ちょっと深い商品な気がしてきました。ちなみに、「日清のどん兵衛 天ぷらそば いつもより長〜い長寿祈願そば」は、どん兵衛史上最長の約1mのまっすぐなそばとのことですが、なんで長くしちゃったのでしょうか。

「日清のどん兵衛」も「U.F.O.」と同じく1976年に発売して以来、多くの方々から愛され続けているブランドです。なかでも、弊社独自の「ストレート製法」で作ったそばは、「すすり心地の良いまっすぐなそば」が特長なんです。今回は、このそばの品質の高さに気づいていただくきっかけになるような商品を発売したいと考えたんです。

──こちらも改めて品質を。

はい。ほかにも、明るいニュースが少ないご時世ですので、「限定感」や「驚き」のある商品を発売することで、少しでも明るく、楽しい気持ちになっていただきたいという思いもありました。

──おお! 商品の特長と時勢をかけ合わせてこの商品は誕生したんですね。

そうなんです。なので、「そばのように細く長く生きられるように」と長寿を祈願してそばを食べる日本の風習にヒントを得て、「長寿祈願そば」というネーミングにするとともに、 パッケージデザインもおめでたいゴールドの色を採用することで、さらに「楽しさ」を感じていただけるようにしています。

──なんだか明るい気持ちになれる商品ですね!

そう言っていただけるとうれしいです。ご自宅で過ごす時間が増えていると思いますので、ぜひご家族とご一緒にお召し上がりいただきたいです。その際に、麺を箸で持ち上げてみて、「どん兵衛」史上最長のまっすぐなそばを箸で持ち上げてみて、驚いていただければと思っています。

日清食品さんの飽くなきこだわりと探究心・・・悪ノリとか言ってすみませんでした。食べながら商品の本来の魅力を再認識していたし、まんまと戦略にハマっていたんですね。2商品とも、全国の一部コンビニエンスストア、スーパーで販売中です(店頭から無くなり次第終了)。

取材・文/山田葵

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