日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムです。


4代目 ティモシー・ダルトン(1987年7月7日付)

4代目007が来る ダイアナ妃も絶賛ティモシー・ダルトン

上の写真をクリックで当時の紙面PDFへ
上の写真をクリックで当時の紙面PDFへ

記事概要 シリーズ第15作「007/リビング・デイライツ」で4代目ジェームズ・ボンドに起用されたティモシー・ダルトン(当時40)が8月に来日する、というニュースを伝えている。

 すでに英国では公開されており、大手の劇場では興行新記録を打ち立てているという大ヒットぶり。ダイアナ妃も「最高に楽しかった」と異例のコメントを出している。

 大ヒットの背景には、ロンドンっ子たちの歓迎がある。188センチの長身と硬派な魅力は原作のボンド像に近く、体重、黒髪、スコットランド出身、40歳独身、酒に強くプレーボーイ、という点まで同じ。3代目ムーアがコメディー路線に傾いていたため、正統派ボンドに注目が高まったようだ。

 8月18日付紙面では、帝国ホテルでの来日会見の模様を伝えている。コネリーがボンド役からの引退を表明した時に2代目を打診されたと明かし「当時はまだ25歳で、ボンド役には若すぎる」と辞退したのだとか。「シリーズの中では『ドクター・ノオ』が一番好き。コネリーが一番良かったのは『ゴールドフィンガー』」とも話した。

【1987年(昭62)7月7日付】  >>紙面PDFへ

梅ちゃん評

 「リビング・デイライツ」は40歳。57歳になっていた3代目ロジャー・ムーアよりかなり若返ってホッとしたのを覚えている。あのダイアナ妃が「最も原作のボンドに近い」と太鼓判を押した正統派ボンドとして、過去最高の興行成績を記録した。

 この手の顔のかっこよさがよく分からないのだけれど、アクションコメディー路線のムーア版と好みが合わなかったので、ダルトンのタフさや、ふつふつと怒りをかみしめる人間味が7割増しで良く見える。夜の狙撃や曇った空など、暗い画面に「諜報」の裏家業ぶりが染みるし、アクションも身軽。ムダにニヤニヤしないので、たまにニコッとするとかわいい。

 手当たり次第に女を誘うのではなく、1人の女性に絞って恋をする濃さも逆にエロい。ジョークを言うタイプには描かれていないのでボンド特有の軽さはないけれど、好感が持てる雰囲気のボンドだった。2作で終わってしまったのはやはり惜しい気がする。

 ◆ティモシー・ダルトン
 1946年3月21日、英ノースウエルズ州生まれ。64年、国立青年劇場に加わり、シェークスピア演劇などに出演。68年、映画「冬のライオン」で映画デビュー。87年、4代目ジェームズ・ボンド役に起用され「007/リビング・デイライツ」と、89年の「消されたライセンス」の2作に出演。

歴代ジェームズ・ボンド 記事アーカイブ









日刊スポーツ購読申し込み 日刊スポーツ映画大賞